懸垂下降の最中にロープのブレーキストランドから両手を離して作業する必要がある場合は仮固定を行います。日和田山の岩場などの広いテラスから懸垂下降する場合は、テラスの縁まで移動して、下の様子を確認してからロープを垂らします。そのような時には、積極的に仮固定を行って慣れておきましょう。

最初は地面に足の着く高さで練習しましょう。ただし、しっかりと荷重した状態で行います。今回はATCガイドを使い、バックアップを施していない状態での仮固定を考えてみました。

先ずは、ブレーキストランドから手を離すために、下降器を握って静止できなければいけません。ATCの場合は全て包み込むように握ればいいのですが、ATCガイドでは難しいので下の写真を参考にしてください。親指と人差し指、中指の3本で、ロープをしっかり屈曲させるように強く摘まみます(いうまでもありませんが手袋必須です)。ロープが細いと静止できないこともあるので、必ず安全な場所で全体重を預けても静止できるかどうか確認してください。

しっかりと停止している状態で、薬指と小指を使い、ブレーキストランドをカラビナの中へ押し上げます(ロープが重い場合は、右手と足を上手く使いましょう)。カラビナを通り、押し上げられたロープを右手で掴みます。

右手で掴んだロープを引き上げ、そのまま外側に捻るように下に返します。矢印のところで、ロープの末端側が上に重なるようにクロスしてループができます。

右手の親指をループに通し、下に垂れている末端側のロープを掴んで引き出します。このとき手首までループに通していると引き抜きづらいので気を付けましょう。

カラビナに巻き付いている側のストランド(親指側のストランド)を意識して(右手で掴んでいる位置を変えないこと)引き上げると、ループが絞られてミュールノットになります。

この時点で、ATCガイドを掴んでいた左手が離せるので、両手でさらに強く絞ります。

左手はそのまま、末端側のストランドが抜けてしまわないように、4本まとめて握ります。右手は小指側にスライドさせ、末端側のストランドを引き出します。


さらに引き出し、1メートルほどのバイトにします。

ロープを握った左手をロードストランドに乗せて、バイトを左に回します。

ロードストランドに絡めたバイトを、左手の平で交差させ、もう一度回します。

左手の上下に2回絡めたバイトを左手とロードストランドの隙間に通します。

強く引き絞ったら、クローブヒッチが出来上がります(仮固定の完成)。

作業を終えたら、仮固定を解除します。⇒の部分を4本まとめて、左手で握ってください。

右手で⇐の部分を引き抜きます。

クローブヒッチ前の状態に戻ります。

バイトを右手に持ち替えて下に下げると、次に左手で掴むべきところが確認できます。

最初のように、左手でATCガイドを掴んだら、右手は末端側のストランド(のちにブレーキストランドになる)を握ります。

右手でミュールノットを解きます。

右手は持ち替えずに、スライドさせながら引き抜きます。


ミュールノットのバイトが、最後にこぶになって抜けない場合は、右手の親指で押し込みます。

完全に解けたら、左手もブレーキストランドに持ち替えて、懸垂下降を再開します。

マタギを目指して修行中2022年5月18日 19:34 /
とてもわかりやすいです。 写真撮影のウデとモデルがいいのです(笑) 三つ峠で3回も仮固定して安全に懸垂下降できました。油断しないように気をつけます…