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7/20 日和田山の岩場(おまけ)

 トップロープ支点のバックアップと、スリングの長さ調節について考えてみました。

 まずは、普段通りにトップロープをセットしてもらいました。

 

 おっと、いきなり、このセルフビレイはヒヤリハットものです(少なくとも3つの意味で間違っています)。

 別の機会に、セルフビレイと、実践的トップロープのセット方法について考えてみたいです。

 

 さて、本題です。

 2か所の信頼できるアンカーポイントを流動分散で連結し、さらにカラビナ2枚でスリングを足してマスターポイントの位置を下げています。この場合、(あまり考えられませんが)青と黒どちらかのスリングが切れたらアウトです。

 そこで、RCCボルトから白いスリングを垂らしてバックアップとしています。ただし、アンカーポイントがRCCボルトでは、バックアップの意味がないとも思えます。

 

 そこで、同じルートの中間支点を一つ利用してセットしたのが上の例です。これならスリング、カラビナともに多重性を持ちながら、信頼できるアンカーポイントは3ヵ所となります。

 ただし、リードクライマーがいる場合、中間支点を占有するのはマナーに反するので、混んでいる岩場では現実的ではないかもしれません。

 

 そこで、男岩限定ですが、後ろのラッペルステーションを利用してみました(ラッペルリングを空けておけば、そんなに迷惑にはならないと思います。

 日和田の場合、ロープの切れ端(補助ロープ)を10mほど用意して、クローブヒッチで長さを調節し、8ノ字結びで固定します。スリング、カラビナともに多重性を持ちながら、信頼できるアンカーポイントは、合わせて4か所となります(少々過剰といえるかも…)。

 

 程よい長さの補助ロープが無い場合、スリングを連結することになりますが、カラビナ2枚で連結するのが原則です(ゲートの向きは変える)。カラビナが足りない場合は、強度の低下を理解したうえで、スリング同士を連結します。

 

 スリング同士の連結方法は、本結び(リーフベント)が一般的ですが、緩んで崩れるとカウヒッチになってしまうので気を付けて下さい。

 そのうえ、他の方法で長さ調節を行う必要があります(2重3重にしてみる、長さの異なるスリングやヌンチャクを用意する…等)。

 

 強度低下を恐れずに、どうせ結び目を作るならシートベントをお勧めします(他にも用途が多いので優先して覚えておくべき結び方)。ただし、末端のスッポ抜け対策は必須です。

  

 シートベントはスリング1本の末端同士を結ぶことで、単体でも長さ調整可能です(2重になるので強度は増すかも…)。

 

 写真はシートベントで末端同士を結んだスリング(2重なので、元の長さの半分以下の範囲でなら調節可能)。

 

 他にも単体で調節可能なパーセルプルージック。調節は容易だが、大きな荷重が加わった場合、伸びてしまわないか不安。

 シートベントとは逆に、元の長さの半分以下にはならない。

 

 これも単体で調節可能なボーラインオンアバイト(ダブルボーラインではない)。長さ調節に多少のコツがいるが、信用できる。

 これも、シートベントとは逆に、元の長さの半分以下にはならない。

 

 パーセルプルージック(左)にはアラミド(ケプラー)コードが向いている(テープスリングは不向き)。

 ボーラインオンアバイト(右)はテープスリングでも可。

 

 と、いうことで、私のトップロープセット。

 

 加えて、アラミドコード(5m)を結んでスリングにしたもの(アルパインの支点工作等、他にも用途は多い)。

 

 そして9ミリ×10mの補助ロープ。

 よろしければ試してみて下さい(自己責任ですが…)。

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