マルチピッチの懸垂下降では仮固定が必須課題です。いく通りかある中で、ヒロミさんに合いそうな方法を覚えてもらいました。

上の写真は4日前のヒロミさん。ビレイデバイスをPASのループに掛けています。懸垂下降のセットで、ビレイデバイスをビレイループから離すことには幾つかのメリットがありますが、ベストな距離は、その人の体格によって微妙に異なります。さらに、ここでPASを使ってしまっては、パーソナル・アンカーとしての本来の使い方が制限されてしまいます。まずは、ここから直します。
普通にPASでセルフビレイします。

使うのはゼロピン用の環付きクイックドロー。ロープを掛ける側のカラビナをビレイループに掛けてロックします。

アンカーに掛けるカラビナ側のバイトに、ビレイデバイスを専用カラビナごと掛けます。

普通にロープをセットします。

ゼロピン用クイックドローのアンカー側カラビナを外して…、

ブレーキストランドのロープごとビレイループに掛けます。

懸垂ロープに荷重移動して、ビレイオフします。

ビレイデバイスとビレイループとの間隔は、スリングの長さとカラビナの大きさとの組み合わせで変えることができます。長くすれば、ブレーキストランドを握る手の位置が自然で、下降中のバランスも安定します。かといって、長すぎるとセルフビレイからの荷重移動が面倒です。セルフビレイに完全にぶら下がった状態でセットしてみて(立ったままでは分かりにくい)、折り合いの付く長さを見つけてください。

ブレーキストランドをビレイループのカラビナで折り返します。

もう一方の手(写真では左手)で折り返した末端側を順手で掴みます(カラビナと右手との間)。

左手を返してループを作ります(末端が外側)。

末端でバイトを作り、クイックドローのスリングを巻き込んでループに通します。

ループを絞れば、スリングを巻き込んだミュールノット。

さらに末端を引き出し…、

オーバーハンドノットで固定して完成。

両手を放して、支点工作等の作業が行えます。

仮固定の解除は、オーバーハンドノットを解いたら、片手でブレーキストランドを握り、もう片方でミュールノットを解きます(ブレーキストランドを握って行うので、安心感が大きいです)。

ミュールノットを解いたら…、

両手でブレーキストランドを握って、懸垂下降を再開するなり、PASに荷重移動するなりして、次の行動に移ります。

(おまけ)その2に続く。