近ごろリードする機会が増えてきたジュンコ先生。ここで、ツルベ登攀でのセカンド確保をおさらいしておきます。
リードがビレイポイントまで登ったら、まずは環付きヌンチャクを掛けてランニングビレイをセットします。ボルトが左右に2個ある場合、のちのゼロピンになるヌンチャクなので、セカンド(次のリード)が自分のどちら側を登るか考えてセットします(ここでは左のボルトに、左の赤ロープ)。
ランニングビレイをセットしたら(ビレイされているので落ち着いて)、もう一つ(ここでは右側)のボルトと連結して、クアッドシステムのビレイステーションを作ります。
ボルトがスリング(クアッド)で連結されたら、ヌンチャクでない方の環付きカラビナにクローブヒッチでセルフビレイをセットします(ここでは右の青ロープ)
セルフビレイ(ここでは青ロープ)に荷重して強度を確認したら、ビレイ解除のコール。
クアッドシステムのマスターポイント(2本)に環付きカラビナを掛け、ランニングビレイ(ここでは環付きヌンチャクの赤ロープ)を外し、マスターポイントの環付きカラビナにクローブヒッチでセルフビレイのバックアップ。
バックアップは若干弛ませておきます。セカンドビレイはセルフビレイ(ここでは青ロープ)とバックアップ(ここでは赤ロープ)の間の空間で行います。セルフビレイは常に張った状態を保つように、適度に荷重します。
ロープアップしたら、バックアップ(ここでは赤ロープ)に振り分けて整理します。
クアッドシステムのマスターポイント(バックアップに使われていない方の2本)に環付きカラビナを掛けて、ATCガイドをガイドモードでセットします。のちに自分のビレイループにかけ替えることを考えて、右のロープ(ここでは青ロープ)は右へ、左ロープ(ここでは赤ロープ)は左へとセットします。もちろんクライマー側とビレイヤー側とを間違えてはいけません(クライマー側を引いてみてロックすることを確認しましょう)。
準備ができたらロープを軽く引いて、余計なたるみのないことを確認してから「登ってください」のコール。セカンドが手前のビレイステーションの回収にかかる時間を考慮して、すぐに強く引いてはいけません。
ビレイヤーとゼロピン(ここでは環付きヌンチャク)の間は 1.5m以上離すことが推奨されています。セカンド確保にしても、このくらい離れていた方がロープを手繰りやすいです。
セカンドは、ビレイポイントに着いたら環付きヌンチャクを掴んで体を安定させ、クローブヒッチでセルフビレイをセットします。なれればPASを使うより早いので、クローブヒッチもしっかりと練習しましょう。
セカンドがセルフビレイをセットしたら、セカンドビレイを解除し、ATCガイドを(ロープがセットされた状態のままで)ビレイループに付け替えて、リードを交代する準備(必要なギアの受け渡し)を行います。
リードビレイのセットを確認したら、環付きヌンチャクのセルフビレイを解き、そのままゼロピンとして使います。
1個のカラビナに2本のロープを通すことが気になる場合は、マスターポイントの環付きカラビナが遊んでいるので、片方(ここでは青ロープ)はそちらに掛けておくと良いでしょう。
以上、いまAB(アルペンブルーメ)で勧めようとしている、セカンド確保からリード交代までの流れを説明しましたが、もちろん、これが全てではありません。ボルトの数や質、テラスの形状など様々です。ボルトの強度が改善されていく中で、折り返しビレイが復活する兆しもあります。さらに精進しましょう。
マタギを目指して修行中2021年11月5日 10:06 /
アンカー構築の復習中です。進行方向のピンに環付きクイックドローをセットしロープをかけてひとまずビレイされた後、支点のクアッドを構築する前に環付きカラビナをもう一つのピンにかけてグローブヒッチをかけてバックアップを取ってもいいのでしょうか。こうすることで何か困ることが起きる可能性はありますか?