<カオリンの代筆です>
次に来たときにコース取りで迷わないようにと、カオリンがたくさん写真を撮ってまとめてくれましたので、代わりにアップします。時折変なコメントが入るのは私のです…悪しからず
<本文>
ベースプラザを4:39出発し、ズンコ先生はザックをカートに乗せて小走りに歩き、後ろ姿を見るとこれから何処へと思ってしまう光景である。林道を経由し谷川出合に5:23到着した。これから谷川一ノ倉沢烏帽子南陵へ。
出合から一の倉沢の雪渓へ、雪は締まっているため、Tリーダー以外はみなチェーンスパイクを付ける。天候は登攀日和これから登攀する南陵の岩稜が朝日を浴びて輝いていた。
アプローチが大変というが雪渓をひたすら歩き続け、テールリッジの到着(6:05)、荷物を少しでも軽くしようということになり、チェーンスパイクをデポした。
テールリッジの危険だと思われる場所には、フィックスロープが張られていた。
中央稜の取り付きからトラバースとなり、南稜の取り付きに7:30到着する。
3グループを待って、3人(Tリーター、ズンコ先生、カオリン)2人(ひとみちゃん、うめちゃん)パーティで登攀開始する。
登攀前、H&Uペア うめちゃん『肩がいたい』と、ひとみちゃんが『大事なビレィーヤーですから』と肩を優しく介抱していた。
8:00登攀開始
1P フェイス 8:19 (セカンド到着)
左側岩稜から取り付きS字を書くように右側への岩稜へ、登攀をしている姿が見えなくなるが、やや右側へ進みながら直上その後チムニー前終了地点到着。ロープの流れを考えてランナーは3本で対応。
ランナーの取り方もハーケンにスリングを付け、ダブルロープの流れを考慮してカラビナを繋げてクリップをしていた。登攀をしてみると他にも錆ついたハーケンが岩場の隙間多数あることを確認できた。おそらく3本というランナーは、優しいフェイスというよりロープの流れを考えてのことであった。
2P チムニー 8:25 開始 8:52(2セカンド到着時間)
Tリーダーチムニーに取り付く。チムニーの中心部にお助けでカラビナを付ける。
チムニーに入らなくも右側の岩稜から行くことができるのではないかと岩稜見て思われるがそこはチムニーに入らないと抜けられない。チムニーの岩に身体を押し付けて登攀するTリーダー、そのうちにチムニーの中に入り姿が見えなくなる。登攀してチムニーの壁をよく見るとサイドによい足置きを見つけ登攀した。
3P フェイス 9:00開始 9:23(セカンド到着)
右側の岩稜から登攀後、右側にトラバースを続けながら高度を上げる。岩の割れ目には錆びたハーケンが確認できる。そのまま岩稜に沿って左へ直上すると終了地点となる。途中、逆相の岩場もあり、何処に足を乗せると安定姿勢を取れるか考えながら慎重に登った。
3P終了地点、支点は目線より下のため、支点構築するスリングは短めの方がセカンドの引き上げがやりやすそうだ。
4P 草付き 9:52
ここから暫く笹薮の中を歩くようにして登るが、気象状況によっては笹が滑りやすいのだろうと感じる。途中から緩やかなフェイスに変わり、ランナーを取らなくても慎重に登れば心配のない感じであった。
4P終了地点の支点は、なせか広い。Tリーダーは、ケプラーをほどいて支点構築をしていた。
5P 短いフェイス 10:00 セカンド (10:26到着)
出だしのフェイスをTリーダーは、小さなフットホールドに右足を乗せるとハイステップ
で登っていた。岩の突起の部分を通過して終了地点に付く。
出だしが核心で小さなフットホールドの足を乗せて上がるには勇気がいったが、左から取り付く方が簡単である。その後は大きなホールドを拾えば難しくなかった。ちなみにH&Uチームは5Pの出だしは右からが階段状で簡単と言っていた。
6P 6ルンゼ(馬の背リッジ)11:00 セカンド 11:19
テラスから右側の岩場に乗り込み、5~6m程登って右に回り込み、馬の背リッジに出る。右が奥壁、左が6ルンゼ右俣に切れ落ち、傾斜も強くなり風も強くなり高度感に身体が震えるほどだった。
終了地点では1パーティしか支点を取れないため、後方グループは、途中で切ってもらうようにした。
7P 馬の背からクラック 短く切る
フェイス好きのひとみちゃん、このピッチは『嫌い、嫌い嫌い!』と岩と対話しながらリードしていた
8P フェイス ラストピッチ 12:00 セカンド 12:27
20mの傾斜の強い順層のフェイスで上部に登るにあたり、ホールドが細かくなり難しくなる。終了地点が見える最後が核心、A0を使う前に細かいホールドを拾って左側のガバを見つけて登攀、最終地点にはガバもあり、掴めば安心であった。
(下降)
1 懸垂 50m
最終地点から草付きを上がったところにテラスがある。テラスから左側が懸垂ポイントである。一段下がった所にロープをセットして下降する。下降すると既にポイントを使っているパーティが降り待つことになる。最初は草付きの懸垂、下ると右のテラスに懸垂ポイントがあるが、そこではなくそのままチムニーに入り下ると右壁に支点がある。
2 懸垂 50m 支点は右側壁岩
そのままチムニーの中に沿って懸垂、左側は谷になっており、谷に引き込まれないように岩側に身体を持っていきながら懸垂する。トップ到着後は、ロープが谷側に行かないように支点にロープを固定するとよい。
3 懸垂 50m 支点は右側壁岩
ロープでやや斜めに下降、大岩を過ぎ4ピッチでの草付きのフェイスの岩場を下降、
途中から笹薮の中に入り下降、良く見ると踏み跡があるので注意するとわかる。
4 懸垂 25m 支点は少し下がったところにある。
まっすぐに下降するとチムニーに手前に出て、そこで支点を取る
5 懸垂 25m
南稜テラスまで懸垂下降をする。
6 懸垂 50m
7 懸垂 50m
中央稜手前のトラバース道に出る
南稜から来た道をトラバースするよりは、50m×2回懸垂を切った方が落石も多く
危険性もないと感じた。すべての懸垂が終わったのが15:52
テールリッジを下り
再び雪渓を超えて出合に到着したのは、18:30であった