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6/25 日和田山の岩場

 2022年6月25日(土)日和田山の岩場で懸垂下降の指導方法を検討しました。

 

 懸垂下降の基本姿勢はクライミングジムで普通に行っているロープクライミングの練習でも身に着きます。例えばロワーダウン。ロープ(ハーネスの近く)を軽く掴んでバランスを取り、ハーネスに腰掛けた姿勢から自然に足を延ばし、足の裏を壁について後ろ向きに歩く感じ。終了点から鉛直に下りることを意識しながら、足元や着地する場所の様子にも注意を払います。

 

 ビレイヤーがロープを送り出す際の制動は、まさに懸垂下降のスピードコントロールそのものです。ビレイデバイスの下のロープ(ブレーキストランド)を体の正面で握り、角度と握り加減で制動します。つまり懸垂下降は、ロワーダウン時のクライマーの動作とビレイヤーの動作を、一人で同時に行うようなものです。クライミングジムで、この二つの動作がしっかり身についていることを確認出来たら、懸垂下降の練習を行いましょう。

 

 外岩でのロワーダウンで傾斜が急に増し、足元が見えずに怖い思いをしたという経験があると思います。そんな時には、膝を曲げて、片手はロープを握ったまま、もう一方の手を岩に押し当てると、バランスを崩すことなく腰を下げることができると憶えておきましょう。ビレイヤーもゆっくりとロープを出します。

 

 実際に懸垂下降しているところです。左手で岩を抑え、腰を下ろすことで体を安定させ、左足を下ろすことができました。

 

 ロープを左手に持ち替え、今度は右手で岩を抑えることにより、体を安定させて右足を下ろします。何かに似ていますよね。そう、ダウンクライミングの原則。手を下ろしてから、下ろした手と同じ側の足を下ろす。ダウンクライミングもジムでの練習に取り入れましょう(特にボルダリング)。

 

 以上のことから、クライミングジムでしっかり練習している人は、懸垂下降の飲み込みも早いです。したがって、外岩で懸垂下降の練習と言えば、そのセット方法と、チェック方法になります。懸垂下降では、リーダーが最初に下りることが多いので、残された者は自分でセットし、かつチェックも行わなくてはなりません。だからと言って、初心者だけを上に残してはいけません。懸垂下降の指導は、リーダーとアシスタントの2名体制で行うのが良いでしょう。アシスタントは手本を示しながら先に下りて、万一手を放してしまった場合に備えてロープを握っています。

 

 どうしても、リーダー一人で指導しなければならない場合は、初心者のセットを確認し、セルフビレイを外せば下りれるという状態を作っておいてから、リーダーが先に下り、万一手を放した場合に備えます。

後半へ続く(懸垂下降のセット)。

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