沢屋人生ウン十年、フェルト足袋ひと筋でやってきた山ちゃんが桃洞沢でラバー軍団に先行され衝撃を受けて(トロい私にまで先に行かれたからねぇ…)ラバーシューズを入手したのは10月に入ってからのこと。Y岸家は寒がりなので今シーズン中に試し履きが出来るチャンスは残り少ない。夫婦揃って予定が空いた10下旬の週末、私は前日の鶴沼川二俣川からの連チャンとなるが、癒しのナメ沢だったから疲れていないしまぁ行ってみっか…と3時起きで草津白根へ向かう。
渋川伊香保ICから草津方面への道路は以前より格段に良くなっていて、予想よりも早く天狗山ゲレンデの駐車場に到着。
天候に恵まれなかったこの秋、晴天予報の週末は貴重である。青空を見上げれば睡眠不足も吹っ飛んで、いそいそと支度を済ませて出発。道端の木立はとりどりに秋色を纏い、桂の甘い香りが漂う中を歩いていると陶然としてくる。15分ほどで登山口に到着。芳ヶ平へ向かう登山道は通る人が少ないのか、ゴミ1つ落ちていなかった。
1時間ほど歩くと登山道が毒水沢と交差する。ここで大休止、腹拵えと足拵えを済ませて9時に入渓。
初めてラバーソールで沢に入った山ちゃんが、足が冷たいという。渓流タビにはウールの靴下で充分だったそうだが、沢靴にはネオプレンの靴下を履いた方が良いみたいだ。
私はいつも通りネオプレンの靴下を履いているし、下半身はウェットスーツのパンツを履いているから寒くない。沢床にはヌメりが無くラバーのお試しにはピッタリで、最初は慎重だった山ちゃんのペースが徐々に上がってくる。
見応えのある大滝は左岸の巻き道で通過。
ラバーがバッチリ効くのでスパスパ進んでゆくと、温泉の臭いがしてきた。
傾斜の緩い滝を登ってゆくと、
やはり温泉だった。壁がクリームイエローと緑の縞模様になっている。硫黄?
良さそうな湯船もある。
触ってみると、火傷しそうな熱さだった。桶でも持ってりゃ沢水を汲み込んで温度調整できたのに…。事前調査が足りなかったな。
お湯が流れる沢を登るなんて、楽し過ぎる。
振り返ると落葉松の黄葉が美しい。
前方に滝が見えてきた。
濡れたくないので手前の涸れ沢から巻いたが、巻き上げられ過ぎてしまい、少し降りて笹の斜面をトラバースして沢に戻った。もう少し滝に近付いてから巻けば良かったか。でも笹の中に食べ頃のブルーベリー(クロマメノキの実)があったので良し。
沢床が赤くなってきたけど、ヌメりはない。鉄分が多いのかな。この辺りの沢水に温かさは感じなかった。ブルーベリーを食べながら進んでゆくと二俣に着いた。
まだ10時半前なので、のんびり休憩をとる。右俣は伏流のゴーロで行く気が起きないので、進路は左俣に決定。
なかなかの景観。
何だか源頭が近いような雰囲気になってきたけど、入浴できるところがある筈なんだけどなぁ。
巻いた時に通り越しちゃったか?などと考えながら進んでゆくと、標高1,860mを超えた辺りから明らかに足元が温かくなってきた。前方には湯気も立っている。
足湯しながら進んでゆくと、3段の滝が現れた。
下段の釜が丁度良さそう。後のことは考えずに入浴!
山ちゃんは後で寒い思いをしたくないからと入らずに行ってしまったので、呼び止めて写真だけ撮ってもらった。確かに、風呂というには微温かったが…。
この滝湯を越えると、今度こそ源頭になる。まだ温泉が流れている。
ついに温泉とさよならする時がきた。
草津白根山が見えてきた。登山道まではもうすぐ。
11時半過ぎに登山道に到着。白根山頂方面は噴火警戒レベル1の規制(火口から500m以内は立入禁止)に引っかかるので、登りはここまで。ずぶ濡れ(私だけね)なので上半身だけ着替えて、紅葉を楽しみながら登山道を歩いて戻った。
芳ヶ平まではブルーベリーやコケモモ、シラタマノキの実(これはそれほど美味くない)を食べながら。芳ヶ平から先は退屈な登山道を、何組かのハイカーと擦れ違いつつ。駐車場に着いたのが14時過ぎだったから、ひょっとしたら渋滞に遭わずに帰れるかと思って温泉も入らず帰路についたけど、結局そこそこ巻き込まれてしまった。
晴天の下、紅葉と温泉を楽しみながらラバー靴のお試しが出来て良かったです。来シーズンが楽しみだね。
たーにゃ2022年11月5日 09:03 /
温泉に入れて、登れるなんて素敵な所ですね。 ラバーいいですよね。 今年、購入しましたが、下山が楽だし、滑らない!