• 登山技術研究会アルペンブルーメ|東京都勤労者山岳連盟に加盟する山岳会|岩登り・沢登り・雪山登山が好きなアルパインクラブ|登山の基本技術を研究し指導者を育成する山の会|東京都練馬区を拠点に活動

小坂志川でおひとり沢

小坂志林道が予想より手前で通行止めになっていたので、少し戻って道端の空きスペースに車を停めて身支度をしていると車が1台通って行った。入渓点を探しながら歩いてゆくと、通行止めロープの手前に駐車し釣りの準備をしている様子だったので声をかけた。ここより下流側で釣ると言って下さったので、踏み跡から川に下りた。

沢拵えをして水の中を歩くのは久しぶりだなぁ。穏やかな小川なので安心して歩ける。

誰もいない。朝なのでカジカが鳴いている。魚がビュンビュン走る。型は小さめ。私の目では判別できないが、情報によるとこの辺りはヤマメだそう。なので釣竿は持って来ていない。

川に沿って林道が走っているので橋や護岸が多いが、水は澄んでいる。独りだからか朝だからか、魚のライズがよく見られた。ふと目を上げると、林道を4人くらいのパーティが歩いてゆく。支流のどれかに入るのだろう。

湯場ノ沢、ウルシヶ谷沢を分け、林道終点を過ぎる。手作りらしい小さな木橋が一つ二つ架かっていたりして長閑だ。初めて滝が出てきたところで、念の為ハーネスなどを身に付けた。

3m滝。右岸にフィックスあり

朝イチだし滑りそうだし、水も深そうに見えたので巻き道を行った。滝を過ぎるとすぐに白岩沢、キットウ谷沢と分け、少し谷が狭まってきてこの辺の小沢らしい眺めになる。適度に陽射しがあり暖かいので、練習がてら無駄に水に濡れながら遊びながら進んだ。小さな淵になっている所には必ず魚の姿が見られ、カワガラスやミソサザイもしょっちゅう出てくるので独りでも寂しくない。顕著な右カーブを過ぎたところで、水面に白い花が散っていた。

エゴノキの花かな…?

イワタバコの葉の、お面に出来そうなくらい立派なのが一枚あったので、大きさの比較のためにカラビナを添えて写真に撮ろうと思ったけれど独りでは上手くできなかった。これは同行者がいなくて残念。でも、

濡れずに行けるところで、無駄に浸かって流れの中を登ってみるとか、

普通に歩けるところでわざわざ突っ張りをしてみるとか(何しろ幅が狭くて短足に優しい所だったので)、連れがいたらバカなことで待たせるわけにいかないけれど独りなら自由。

小腹が空いたので陽当たりの良いところでザックを下ろして休憩していると、2匹向かい合わせになって羽を広げている蝶がいたので、可愛いシーンを撮ろうと試みたが1匹は飛び去ってしまった。

何故ジッとしているのかと覗いてみると…あなや、小動物のウ◯コを味わっていらっしゃる様子であった…

気を取り直して出発。まだ魚が多い。おっ、あれはどうしよう。滑りそうだな。

手首に付けた亀の子束子(ミニ)でゴシゴシ。滝の右側が階段状だった。

2m滝、でした

私でも登れる小滝があるのは嬉しい。分相応に楽しめるのは良い。

しばらく進むと、前方に巨木の幹が見えてきた。株立ちした姿から桂だろうと思われるが、近付いて葉を確認しようと見上げても梢が高過ぎて見えなかった。

大きさの比較にザックを
どアップ
見上げる

大桂の広場(勝手に命名、標高570mくらい)でしばし休憩。水量がないので穏やかな沢音、風も鳴らず、春の陽気が谷の中まで届いて実に良い気分。

独りなのでついのんびりしてしまうが、そろそろ正午だ。身体も冷えてきたので、歩くことにする。

魚の姿を見なくなった気がする。そして少しずつガレてきた。

標高625m二股で、本流を進むかショートカットで左に入ろうか迷ったけれど、時間的に何とかなりそうだったので本流へ。参考にした遡行図と実際の地形が違っていたようで(左のショートカット支沢のみの遡行図になっていた)、本流には滝があるかないか分からない認識で進んでいたのだけれど、標高680mくらいで滝が出てきた。帰宅して資料の写真を見ると、遡行図にある6m滝だった。

水流の中にホールド、スタンスとも豊富。上の方に一枚ハーケンが打ってあったっけ。

続いてこれも遡行図にある6m滝。傾斜がないのでテクテク登る。

独りなので、もう滝がないと良いな~と思いながら進んでゆくと、前方からサーッと水の落ちる音が。嫌だなぁと思いながら左にカーブして見ると、3m滝。

滑りそうで少し怖かったけれど、登れたので良かった。この後は小滝が一つあっただけで、しばらく進むと沢の流れはガレの中へ消えてしまった。

おっ!食えるやつか?
水汲み処

完全に伏流してしまうと、涸れ沢の中を歩くのが面倒になってきた。左の斜面を見上げると、上手い具合に登山道上の鞍部に出られそうな気がしてきた。

凹みは誘うよ

しかし、少し登ってみて後悔。表面は泥ではなく、細かい石礫なのだ。これなら沢型拾ってた方が良かったかも…

オール砂利やめてくれ

文句を垂れながらジグを切っていくと鞍部に出た。疲れたので写真のセンスがゼロになっている。

題名「登山道」

このあとは初めて歩く登山道で、尾根を辿るので眺望を楽しみにしていた。天気も良いし。ハーネスを外して、沢靴にラバーのサンダルを付けて出発。

しかし眺望がない。意地になって、巻き道のある所も山頂を経由したがいずれも広葉樹林か植林に覆われている。

クマさん…?

クマの痕跡(?)と、白い蘭の花があったのと、ウルシガヤノ頭の手前にモミジイチゴが生っていた以外に何もない。歩くのに飽き飽きしてきたのでスマホでラジオでも聴こうと思ったがモバイル圏外。退屈過ぎておかしくなりそう。スマホの隅をつついて探すとダウンロード済のオーディオブックが一冊あった。半分しか分からない(だから聴いていなかった)ブリブリイギリス英語のお追従、嫌味、脅しなどを延々と、しかし他に楽しみがないので面白かったが…

コアジサイが沢山咲いているところは香りが満ちていて素敵だった。

後は完全に消化試合。

今朝くぐった橋だ〜

ヘロヘロで下山完了。日が長い時期は良いですね。誰もいないのでサッと着替えて帰りました。またこの辺の沢に独りで来てみようっと。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です