• 登山技術研究会アルペンブルーメ|東京都勤労者山岳連盟に加盟する山岳会|岩登り・沢登り・雪山登山が好きなアルパインクラブ|登山の基本技術を研究し指導者を育成する山の会|東京都練馬区を拠点に活動

クラックリード奮戦記(3)〜エイドで恐竜退治?〜

前週の日曜は花崗岩の某岩場でワイド講習…

そしてこの週末は再び城ヶ崎へ。風邪が流行っている当節、同行予定者が今朝から発熱とのことで大師匠とマンツーマンでのクラック・クリスマスイブである。

平塚駅からの道中に立ち寄ったコンビニでコーヒーを飲みながら大師匠と相談。フナムシロックでパープルシャドウのリードを狙うか、しりいだしで恐竜に触ってみるか。かなり迷ったが、5.9というグレードより難しいと評判の「きょうりゅうクラック」への好奇心が勝って、本日は完全ダメ元・チャレンジに決定。

恐竜の顔に見えますか?

好奇心の外に、フナムシロックより空いているだろうという思惑もあったのだが、しりいだしエリアには先客がいた。幸い「きょうりゅうクラック」周辺は無人だったので、他のルートでのウォームアップはしないことにして取付き近くに陣取る。上からトップロープを張ることが難しいルートなので、前回の「ネッシー」に続いてエイドしまくる前提でリード。相手がモンスターだから仕方ないよね。(?)

上の写真で直上するクラックが左方へと向きを変えるあたり迄は容易。

写真で陽があたっている所から急に難しくなるのだ

その先でクラックの幅が広くなると、難所の始まりである。「ネッシー」と同様に#4(念の為2本)と#5でやり繰りしながら登るつもり。

右上の写真で左足をスタンスに乗せているが、ここから先は暫くの間、スタンスらしいスタンスは無くなる。あるのは縦に走る浅い凹凸だけ。そしてクラックは膝より広く、扱いにくい。なるべく高い所にカムを決めたら、右半身をクラックに入れて肩から尻までの右背面を壁にズリズリ。下手なので数cmずつしか上がれない。そして浅い凹凸に押し付けた左足が一度滑ると、数分間の苦闘がパアになるのだ。

2回も元の木阿弥をやるとメゲます。カム2本にテンション中

カムを2本入れていれば安心ではある。でも、クラックの中をズリ上がって行こうとすると、そのカムが非常に邪魔になる。カムを上にずらして行くしかないが、短い手の届く範囲に良い場所があるとは限らず苦しむ。それにランナウトが心配だ。悩みながら足掻きながら僅かずつ進んでゆくとクラックの幅が微妙に狭まり、右膝を抜かないと上に行けなくなった。ジタバタしているうちに、大師匠からお借りした#4に膝蹴りを食らわしてしまった。

右下をご覧下さい。泣き別れとなった#4が…

前のプロテクションの所まで滑り落ちていく#4の映像は脳エフェクトでスローモーション(笑)。大師匠の助言(寧ろ予言と言うべきであろう)に従って#4を2本持っていて本当に良かった。とりあえずもう1本の#4を入れてテンション。やっちまったものは仕方がない、落ち着かないと。

左壁に見えていたスタンスが、どうにか届く範囲まで近づいてきている。どれだけ短足であろうが、乏しいホールドに力を込めてスタンスに乗るしかない!

どうにかこうにか、左足に乗ったところ

左足に乗り込むとやっと楽になる。この後はそんなに難しくない。支点を作成して降りてきたら、なんと1時間以上が経過していた…。大師匠、寒い中本当にすみません。でも予言ができる大師匠のことで、私のビレイを始める前にモッコモコのダウンを着ておられました。

自分がセットしたトップロープで登ってみる。リードで苦しんでいる時、クラック内にカムが無ければもっと楽に進めるのに!と思っていたけど、障害物がなくても難しかった。要するにオフィズスでの対処力不足ということだ。特に足技にバリエーションが無いので、練習して身に付けたいと思う。

きょうりゅうクラックの左側の奥には、全く性格の違うルートがある。恐竜に見立てるならばその胴体の右側を走る「おつかれクラック 5.7」は、細かいのが得意な私向きのルートである。

予め終了点を作成して挑んだ「おつかれクラック」、ルート名のとおり恐竜での疲れが癒やされる気持ちの良いリードができた。小さい人の方が楽なルートかも知れない。その後ちょっとフェースで遊んだあと、支点を回収して終了。

帰りの道中には当然の如くカレー屋さんに吸い込まれ、お気に入りのマトンカレーに加えてクリスマスイブらしく(?)タンドリーチキンも注文。愛が通じたのか、心なしかマトンの量がサービスされていたような。素敵なクリスマスイブとなりました。

大師匠、本日もたくさん教えていただき、ありがとうございました!次は年明けかな。来年も精進いたしますので、どうぞ宜しくお願いいたします。

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