2024年3月30日(土)ベースキャンプ錦糸町店に行ってきました。今回はノゾミちゃんとリードビレイの練習方法を研究するつもりでしたが、まずはトップロープのビレイができていることが前提だということで、そこを確認しておきます。お付き合い(おもり役)はナオくん。
ノゾミちゃんが選んだのは、持ち替え方式の手数で勝負バージョン(持ち替え方式にはロングストロークバージョンもあります)。他にはスライド方式もあります(それぞれ長所短所があり、注意するポイントも微妙に違います)。
スタート時(待機時)、右手(利き手)は脇を絞めて、ブレーキストランドを握っている。ビレイデバイスとの間には、こころもち隙間を持たせる。左手(利き手ではない)も脇を絞めて、ガイドストランドを顎の高さくらいで掴んでいる。ロープは常に張り気味。ビレイデバイスは常に上を向いている。姿勢は伸ばして、視線は常にクライマー。
取り込むさいには、ブレーキストランドを握っている右手を上げる(肘はビレイデバイスより上げない)。ガイドストランドを掴んでいる左手は、ロープの動きに合わせて下げる(右手の上げる動きに先行して下げない)。ブレーキストランドとガイドストランドは、ほぼ平行(この状態のとき、ビレイデバイスによるブレーキは期待できない)。
ブレーキストランドを下げるときは、肘を支点にして弧を描くように下ろす(右手はしっかり握ったまま、ビレイデバイスとの間を弛ませない)。
右手を上げ始めて下げ終わるまでは瞬時に行う(この間、ビレイデバイスによるブレーキは効いていない)。右手とビレイデバイスの間隔は30㎝ほど(肘から手首までの長さ分)開いている。
左手をガイドストランドから外し、ブレーキストランド(右手のすぐ上)をしっかり握る。
右手で左手の上(ビレイデバイスの下)を握り直す(スペースが足りない場合は左手の上に右手をかぶせて、左手を下にスライドさせる)。
左手を元の位置(ガイドストランド)に戻して1サイクル終了。
では、連続して行ってみましょう。
① ロープは常に張られている。
② ビレイデバイスは常に上を向いている。
③ カラビナのマイナーアクシスに注意。
④ 右手を上げたまま固まらない(上げたらすぐに下ろす)。
⑤ 視線はクライマー(混んでいるジムでは、周囲にも気を配る)。
⑥ 右手を上げ過ぎない(ロングストロークバージョンは別)。
⑦ 動作が大きくならない(肩で回さない)。
⑧ 前のめりにならない(とっさに踏ん張れない)。
⑨ 引き込む右手は真上(平行でないと、右手に余計な力がかかり、左手が先行しやすい)。
⑩ 持ち替え時もしっかり握っている(やらせではなく、偶然カメラが捉えていました)。
ちなみに、ロングストロークバージョンでは、右手を上げた状態で左手の持ち替え(左手はビレイデバイスの近く)を行うので、右手を大きく上げることができます(持ち替えた左手を下げるまで、ビレイデバイスによるブレーキは期待できない)。仮に持ち替えないまま右手を下げると、ビレイデバイスと右手の間が大きく弛み、この状態での持ち替え(手数で勝負バージョン)やスライドは失敗しやすいです。
ロープの取り込みに問題がなかったら実際にビレイしてもらいましょう(できれば介助者を付けるか、飛び降りられる高さまでで登るのを止めて、様子を見る)。
登る前の確認は(慣れたもの同士であっても)2人で同時に行います。
まず、登るルートとグレード(余裕で登れるグレード)。
ルート(他のクライマーと重ならない)と終了点(使用するロープと、ぞの状態)。
末端の結び目(ジム備え付けのロープで、すっぽ抜けは考えられないが、チェックする癖をつけておく)。
次にパートナーチェック。
①クライマーのビレイループにカラビナ2枚(ロックされている)。ジム備え付けのロープ以外では、上下のタイインポイントに八の字結び。
② クライマーのハーネス(ウエストベルト)の位置(腰骨の上でしっかり締める)と末端(折り返してベルトループに通す(ベルトループに通さないと緩み易い)。
③ クライマーのハーネス(ホールループ)の位置(中央でないと、ひっくり返りやすい)とヒッチングストラップの状態(緩んでいるとレッグループが下がり、ひっくり返りやすい)。ヒッチングストラップが捻じれていると、レッグループも捻じれている可能性がある(やらせではなく、偶然カメラが捉えていました)。
④ ビレイヤーのビレイデバイス(専用カラビナでビレイループに取り付ける)と、ロープの状態(クライマーが上、制動手が下)。
⑤ ビレイデバイスをセットしたカラビナのロック。
⑥ ビレイヤーのハーネスの状態(ウエストベルトの位置と末端)。
⑦ ビレイヤーのハーネスの状態(ロールループの位置とヒッチングストラップの状態。
まずはロープの弛みをとる。立ち位置は、できるだけ終了点の真下(墜落を予測して、クライマーと接触しない範囲)で、クライミングの邪魔にならない位置(クライマーから指示があったら従う)。
終了点に着いたら、「張って下さい」のコールを待って、片足を引き、腰を下げる。これでテンションを感じないようでは弛ませ過ぎ(さらに引き込む)。
「下ろしてください」のコールを待って、ゆっくりと立ち上がり(壁に近づく)、両手でブレーキストランドを握り、その握り加減でスピードをコントロールする。手は上下させない(流れが悪い場合は、片方の手で送り、もう一方の手は同じ位置をキープ)。
クライマーが何時までもロープを跨いでいたら声を掛ける。
ビレイヤーも真下に居ない。
ここまでクリアしていたら墜落を止めてみる。やむをえず壁から離れている場合でも、墜落を予測して身構えているか(体重差が大きい場合は辞退するか)チェックする。
最後に、ビレイとは関係ない言葉を掛けて、「ビレイ中です」「話しかけないで」と答えられたら合格です。