予報通りの快晴で迎えた御在所2日目。7時に朝食をいただいて、前尾根のマルチピッチクライミングへ出発!まずは前日と同じく北谷沿いに「裏道」を、ヴィア・フェラータより更に西へ。
藤内沢出合で左へ入る。カットされることが多いP8を右に見ながら藤内沢を少し登った後、尾根に上がるとすぐにP7取付。
人気ルートだけあって順番待ちだが、私はスロースターターなので丁度良い。御在所を知り尽くしたK先生とペアにしていただいたので不安もなし、大船に乗ってのスタートは8時半くらいだったか。
前尾根 P7 ノーマルルート 5.7
1ピッチ目は立っているが易しいクラック。(上部は右上。直上の「蛇の皮」5.9は無理なので行かない)
2ピッチ目は出だしが核心。懸命に足を上げるが手がかりに届かず、無念のA0で超えると緩やかな岩稜歩きとなる。私もK先生もすぐそばで囀るオオルリが気になって仕方がない。
2ピッチ目終了点からは、引き続き岩稜歩きでP6取付まで移動。途中、声はすれども姿は見えなかったオオルリをついに発見!
P6 ノーマルルート(リッジルート) 5.5
P7と同様に何本かのルートがあり、5.9のクラックルートで行くか迷ったが、身の丈に合ったルートで行くことにした。先行が登っているので少し待ってから。
1ピッチ目は、中に沢山足がかりのある広いクラックに入り込むように登り出し、傾斜は緩い。ピッチ上部で先行パーティを待っていると、眼下に別ルートのチムニーが。これも選択肢にあったのだが、チムニーのリード…今の私には、する勇気ないね。
先行がいたのと終了点があったのでピッチを切ったが、2ピッチ目はとても短かった。ルートの選択(と混み具合)に拠るのだろうが、今日のルートならワンピッチで良かったのかな、どうかな?
全員揃うのを待ってから、少し歩くとP5ノーマルルートの取付。これをスルーし、更に南の藤内沢側へ回り込む。
P5 フランケ藤内沢ルート 5.7
ここまでノーマルルートで来たけれど、P5はバリエーションなのだ。K先生からルートについて、特にルート半ばにある難所について教えていただいてからスタート。登り出しは10:40頃。
ルートの出だしは立った壁。ゼロピン取ってスタート、右手のホールドが取れれば後はバッチリフリクションで気持ち良く登れる。壁を登り切ってからはロープの流れだけ気にしながら進んでゆくと…
進路を遮るようにズドーンと落ち込むギャップが現れた。これが難所か…。K先生の助言は正面突破だが、かなり勇気が必要だった。ロープがあるから下までは落ちないし、死ぬ程の深さでもないよ…と自分を説得して、掛け声とともに勢いを付けて、両手を向こうの壁へ。沢で良くやるやつだ。ボルトにアルパインヌンチャクをかけてホッとひと息。フ〜…。さて、ギャップの手前に残っている足を向こうに運ばにゃ。色々試したが、スタンスは薄くバランスも悪くて怖いので、本日2回目のA0で越えた。ちょっと悔しい…。
少し登ると終了点があり、ピッチを切ってひと安心。時間がかかったので、ギャップを前に途方に暮れているのでは…と若師匠が心配して様子を見に来てくれた。すみません。
上の写真でUMEちゃんがいる終了点の辺りがP5の頭。UMEちゃんの右側、奥に見えているのがP4。P5の頭からP4との鞍部へ下りてゆくのだが、下り始めが北谷側に切れ落ちたトラヴァースでとても怖い。ここはK先生が先に降りて指示して下さった。
上の写真のほぼ中央に小さく見えるピークがP5の頭。UMEちゃん・エミコリン・大師匠パーティの姿がある。これから件のトラヴァースで下りようというところだ。
P4 北谷側ルート
1ピッチ目は凹角ルート 5.5で。右には「クラックルート 5.9」があるが、難しいみたいで選択肢外だった。
2ピッチ目は北谷側上部ルート Ⅴ 通称「滑り台」。
P4の頭まで登り上がる見栄えの良いルート。高度感があり、簡単だがとても気持ち良いクラック。
P3 は傾斜が緩いルートを歩きで行く。上部に短いクラックルートが複数あるので、登ってから行こう。
クラックを登ったら、P2との鞍部へ歩いて下りてゆく。前尾根もいよいよフィナーレ、P2「櫓(ヤグラ)」を残すのみとなった。
P2 櫓ルート 5.5
前尾根のP1へは緩やかな岩稜歩きのみで到達でき、クライミングではないので行かないのが通例。なのでP2がフィナーレなのだ。順番待ちの後、14時に登攀開始。
グレードは5.5だが、もっと難しいと感じた。上の写真に写っている先行者の右斜め上が核心。半身がすっぽり入る広さのクラックで、右上の狭いテラスに登り上がるのが難しい。
右の内壁に打たれたボルトにヌンチャクをかけて、ロープセットしてからトライ。右壁のスタンスに足が届かないので、懸命にバック&フットで身体を上げる。テラスに上がれた時は、クラックのテクニックが少しずつ身に付いて来ていることを実感できて嬉しかった。
ヤグラの上まで登ると、懸垂支点が空いていなかったので先行者と話をしながら暫し待つ。無事に前尾根を登攀できた充足感と、素晴らしい眺めに酔いしれつつ。
みんなでヤグラのクライミングを楽しみ、ついでに左側の「サスペンション 10b」もトップロープで。これは傾斜が立ったフィンガークラックで、全然歯が立たずルートの三分の一くらいで降参。若師匠はトップアウト、さすがである。
16時半くらいまで遊んで、下山にかかる。
急峻な前壁ルンゼに付けられた踏み跡を降りて、17:20頃に裏道に合流。
晴天のまま日が暮れてゆく。あぁ、なんて良い日だったんだろう。ペアで登って下さったK先生、素晴らしい機会をもたらして下さった大師匠、一緒に登ったみんな。最高に充実した一日を、本当にありがとうございました!
〜(3)に続く〜
(2024年4月28日実施)
kapi2024年5月16日 16:13 /
ちびのすけ、エミコリン達と、久しぶりにクライミングが出来て本当楽しかったです。 しかしまーちびのすけは肝が据わっていますね!初めてきて、ここをALLLeadするんですもの。 今度また、小川山とかに行くときは誘ってくださいナ。