またもや週末の予報がショボショボ雨。雨でも松木沢ジャンダルムに行こうか、疲れが抜けていないのに雨中クライミングは止しておくべきか、金曜の夕方まで迷っていた。18時頃に再び予報を見ると、朝から3,4時間は晴れる予報になっている。俄然元気が出て、中央ルンゼに行こう!ということになった。
4時半に家を出て、途中日光のコンビニでゆっくり朝飯を食って銅親水公園の駐車場には6時45分頃に到着。我々の他に車が2台、どちらもクライマー。1パーティはチャリで先行していった。こちらは7時10分出発。
トイレを済ませて橋を渡り、森の中の踏み跡を登る。足下の岩がしっかり濡れている。ルンゼの濡れ具合はどうかなぁ?ジャンダルムの基部に突き当り、左へ。取付きには8時25分に到着。前回、不要な荷物をデポした所で、先行パーティが登攀の準備をしていた。直上ルート右を登るようだ。
中央ルンゼがビショビショだったら極左ルートに行くつもりだったが、見上げるとルンゼ内にも陽が当たり始めており、まぁ何とかなりそうな感じ。先行パーティが取付きに移動した後、こちらも支度をして荷物をデポし、登攀開始は9時12分。
1ピッチ目、私リード。少し登って日陰に入ると、濡れているのでトラヴァースが怖いところがあった。#0.1のカムを入れて心を落ち着かせて行った。フォローのG氏によると、私がカムを入れたところより上にハーケンがあったそう。視界に入らないわそんなん。終了点はリングボルトと軟鉄ハーケン。ハーケンの上にカムを入れて補強してみた。振り返ると眺めが良い。
2ピッチ目はG氏リード。完全に日陰なので濡れていて滑りやすそうで、かなり慎重に登っていった。数メートル登った辺りで「マイクロカムを持っていれば良かった」としきりに言っていた。フォローで登ってみると、難しくはないのだが濡れていて滑りそうなので、カムを決める場所を見つけるまで緊張を強いられるのが分かった。最後は右向きの急な小壁を登り上がると終了点。リングボルト三か所だったかな。
3ピッチ目、私リード。出だし、終了点のボルトが打たれた大きめの岩に登り上がると、右から大岩が被さった短いフェースが濡れていて怖い。安心するために大岩との隙間に嵌り込んでズリズリと左上しながら登ったので、お気に入りのクライミングパンツが泥塗れになってしまった。その後は、カムや灌木で支点を取りながら、取付から見えた巨岩の直下まで真っ直ぐ登り、左へトラヴァースするとガレた広いバンドへ出る。少し重くなったロープを、落石に気を付けながら引いて終了点へ。前回、懸垂下降で使ったやつだ。フォローのG氏が上がって来たら、ここで早めのお昼休憩とする。
4ピッチ目はG氏リード。後半はクラックという選択肢もあるようだが、短いとは言えクラックが走っている壁は垂直に見える。我々の身の丈に合わせて、垂壁を左から巻く緩斜面を登ることに決定。が、何故か右のガレ場をゆくG氏。あとから左へ、そして小さな壁を登ると支点が見つかったようである。後続パーティの声などは聞こえないが、ガレたところをロープが通っているのでフォローするにも気を遣う。壁に突き当たってから左へ向きを変えて垂壁を巻いた後、終了点へと繋がる小壁は易しいが歩きの範疇ではなくクライミング。帰りで懸垂に使う緑のスリングが掛かった支点は、左下にチラリと見えた。
5ピッチ目、私リード。正午も過ぎて少々雲行きが怪しくなってきたが、雨はまだ。チムニーの中のちょっとした隙間にカムを決めようとしたが、2ヶ所試みて2回とも石が動いてしまい、無意味なので諦めた。左外の壁を見てみるが、ボルトもクラックも見当たらない。ランナウト状態だが、チムニー内で身体が安定しているのが救い。チムニー登りで身体を上げ、左外の壁の傾斜が緩んだところでチムニーから出て、灌木に中間支点を取ってやっと安心。もう少し登ると右側にテラスがあり、数本生えた立木の1本にスリングを巻いてセルフを取った。ロープアップしている間に雨が降ってきた。
6ピッチ目、G氏リード。ルートとしてネットにも載っている左のルンゼは落石の巣だから登らないように、と大師匠から厳命されているので、右のコーナークラックをゆく。岩が脆い、とグチをこぼしながら慎重に登攀してゆくG氏。こぶし岩の右に立つ小岩塔を目指すよう指示したが、その左面にある終了点を見つけるまでに少々時間がかかったようである。雨は止んでしまい、合羽は着ずにフォローで登ってゆく。終了点が随分と見栄えの良いところにあるのを見て、気持ちの良いゴールだなぁと思った。
13時23分、フォローの私がゴールして登攀は無事に終了。お隣のこぶし岩へ移動すると、見覚えのあるケルンが。
荷物を降ろし、ロープを解いてトイレへ行くと踏み跡があった。これが歩いて降りられるという道か。でも我々は懸垂下降の練習をしなくては。せっかく雨が降っていないから、山頂でのんびり休憩してからね。
14時ちょっと過ぎ、今日は私がトップで下降開始。珍しいことだが、これは2週間前に降りたのと同じルートだから出来ることで。支点の見落としなどの心配は無いのだけれど、まぁロープが絡まることと言ったら。それでも何とか、懸垂に1時間はかからずに降りられた。
プロテクションのセットに時間がかかったり、ルートを探して迷ったり、息抜きの休憩が長めだったりしたけど、なんとか無事に済んで良かったです。懸垂下降時にロープが絡まるのを避けるためにどうすべきか、それが喫緊の課題です。
(2024年10月19日実施)