ヒトミちゃんにご縁を繋いでもらって、大師匠にクラックのリードクライミングを教えていただくようになったのが一昨年の真夏の城ヶ崎でのこと。その後、ほぼ未経験且つ超苦手であることが露呈したスラブ特訓も開始。大師匠の優しく的確な指導により僅かずつながらも上達してきて、この調子で経験を積んでいけば色んなルートが登れるようになるに違いない!と意気込んでいたのだが…
ソールを壁に押し付けて軽く止めて次の動きへ繋げるような時、足が滑ってしまい登れないというパターンがちょくちょく現れる。要するにスメアリングができないのだ。この課題を少しずつでも克服しないと、私のクライミングなんて直ぐに行き詰まってしまう。
大師匠のお住まいに近い鷹取山は、スメアリングの練習に最適とのこと。アイスクライミング大師匠クリニックのスタートが迫るこの時期、駆け込み感は否定できないが善は急げである。
追浜の駅からスーパーを経由して鷹取山の岩場に来てみると、混んでいるのが常なのに今日は随分と空いている。冷たい風がピューピュー吹いているからかも知れない。おかげで鷹取山のメインエリア、親不知に一番乗りできたので寒いのは我慢しよう。
鷹取山の岩は柔らかい砂岩でピンが抜ける可能性が高いため、基本的にトップロープで練習する。ここ親不知南面フランケでの今日のお目当ては、アルパイントレーニングルート「ジェードル」と、フリークライミングルート「天の川」と「クレーター」。トップロープを張りに、易しいアルパイントレーニングルート「1ルート」でAさん・大師匠ペアに続いて私・Rちゃんペアも上部へ。
ジェードルに1本、天の川とクレーターで1本、大師匠がトップロープをセットして下さった。
前述の通り柔らかい鷹取山の岩。ホールドやスタンスも、長年のクライミングで削られ、角が取れて丸みを帯びているものが殆ど。スタンスは外傾しているものが多く、爪先で立ち込むのには適していない。
立ち込むのではなく、外傾した面にシューズのソールを押し付け、そこを起点にした円運動のイメージで身体を上げる。押し付けるためには、対角方向に手でバランスを取る必要がある。その形を練習しやすいのがジェードル、つまり凹角である。写真を撮りそこねたので文章で説明、左スタンスからスタートの例。
・凹角の左面の外傾スタンスに左足のソールをベタッと押し付ける。低いところではなく、高めのスタンスを探して。
・凹角の右面やや上方に、先ほど置いた左足を押し付けるために右手で対角方向に押すのに適した凹凸を探して、プッシュ。ここで注意すべきことは、右手はあまり上げ過ぎず、そして下方向に引くホールドではなく、対角方向(右)へ押せる凹凸を探すこと。
・この2つの点でバランスが取れれば、左足を起点に円運動を描くように身体を上げることができる。
左足と右手で対角バランスが取れていて、力を使わずに楽に身体が上がっている状態。ここで慌てて右足を置くと、メリットが充分活かせない。せっかく楽に身体を保っていられるのだから、右足を置く前に壁の形状を良く観察して、高めの良き外傾スタンスに上げよう。
スタンスを良く見て探して、足を高めに上げるのは、アイスクライミングで学んだことと共通。
・右足を外傾スタンスに上げたら、凹角の左面やや上方に、先ほど置いた右足を押し付けるために左手で対角方向に押すのに適した凹凸を探して、プッシュ。
・この2つの点でバランスが取れたら、右足を起点に円運動を描くように身体を上げることができる。
この繰り返しでジェードルを登ってゆく。練習のために、足はスタンスに立つのではなくあくまでスメアリングで、対角にバランスを取って身体を上げるよう努めた。慣れないので悩みながら。トップロープとは言え中々に長いジェードル、石切場跡ならではの絶壁なので、筋力はあまり使わなかったけど精神的に疲れた。
Rちゃんと私がジェードルを登っている間、Aさんは今日の3本の中で最難の「クレーター」で奮闘していた。
クレーターは直登ルート。左上していくのが「天の川」。私はクレーターはとても無理そうなので、天の川へ。こちらも十分に難しい。ジェードルではなくフェースのルートなので、スメアリングをどの凹凸に決めてどう対角バランスを取るか、見極めるのが難しい。
出だし、私にはちとツラい高さにスメアリングに適した外傾面がある。そこに、スラブ登りの時みたいにソールの上半分を押し付けて登りだそうとすると「そうじゃなくてソール全体を押し付けるんだよ」。その方がフリクションが効くわけだ。滑りそうで怖い気持ちを抑えてトライ。最初は失敗して足が滑った。再トライで何とかバランスを取ったら、確かに滑らずに済んだ!その後は、ルート途中にたまにあるガバも使いつつ、スーパーアシストビレイにも助けられつつ。
だいぶ疲れたので、子不知エリアに移動して電光クラックを登って帰ろう。
また一つ、新しいことを学んだ。どこかでちゃんと応用できると良いな。大師匠、ご一緒して下さったみんな、今日もありがとうございました!
(2025年1月5日実施)
kapi2025年1月25日 17:47 /
お疲れさまでした。 電光クラックか・・・・・ 私もヒトミさんとここを登攀したんですよ。 懐かしいです。