GWの初日は那須の温泉へ。ロープウェイ山麓駅から入山し朝日岳を経由して三斗小屋温泉へ向かう計画だったが、風雨が強い予報のため沼原からの入山に変更。
濡れそぼった新緑が目に鮮やかな山麓を後に、次第に細くなる道路をくねくねと標高を上げてゆくにつれ季節が後戻りし、登山口の駐車場は芽吹き前の寒々しさ。
予報どおりの雨天だが幸い風は強くない。馬に人参、雨具を着込んだ総勢8名、温泉と酒を楽しみにトボトボと出発。
ひとしきり登って、そろそろ風が強くなるかと登山口からさしていた折り畳み傘を仕舞ったのだが、結局小屋に着くまで強風には遭わずに済んだ。
やがて進路上に残雪があらわれ、少々滑りやすくなってきた。「俺は要らないよ」と宣う豪雪地育ちの山ちゃん以外はチェーンスパイクやら軽アイゼンやらを装着。
足拵えが済んだら、出発。
サクサクと残雪を踏みしめながらも、谷筋を横切る度に聞こえてくる沢音は力強くて、確かに春は来ているのだと感じさせてくれる。
止まない雨のなかを一歩ずつ、温泉が近づいてくると思えば頑張れるというもの。残雪の多いエリアを抜けたようなので休憩してチェーンスパイク等を外す。
13時半過ぎ、無事に三斗小屋温泉に到着。
風雨に晒されこそしなかったものの、それなりに濡れてしまった服と靴を早く脱ぎた〜い!沢登りと違って、乾いた服と温泉がすぐそこに待っている。
全員が検温をしてからチェックイン。広い玄関と乾燥室に濡れものを吊るしたら、部屋へ。今回宿泊する煙草屋旅館にはそれぞれ源泉の異なる3つのお風呂があり、その内1つが女性専用で、あとは基本的に混浴(水着着用不可)。ただし混浴のお風呂にも短時間ながら女性専用の時間帯が設けられているので、みんな時間を調整しながら部屋で寛いだり、目当てのお風呂に入ったり(露天風呂は風雨の中での入浴となった)。そうこうしている内に夕食の時間を告げる太鼓の音が。
宿のスタッフさん達が背負い上げて下さった食材による夕食をありがたくいただいた。部屋に引き取りしばし寛いだ後、就寝。予報では翌日の天候は回復傾向なのだけれど、夜半を過ぎても風は依然として弱まらぬ様で、建物や周囲の樹々を揺らす音で何度か目が覚めてしまった。
朝が来ても未だ風は強く吹いている。折角那須まで来ているので、今日は何処かに登れたら良いのだけれど…。雨は漸く上がってきたので、昨日は風雨の中で快適に入れなかった露天風呂にリベンジ突入。白濁した湯は熱さも充分で、ゆったりと入浴できた。すぐそばでアオゲラが、遠くでルリビタキが鳴いていた。
再び太鼓が鳴り響いて、朝食。
昨夜は夕食の後にも色々と飲み食いしたのだが、ペロッと完食。ご馳走様でした!
部屋で荷物を片付けながら、今日はどうするか話し合う。風が治まらない中、ベテランの会員が口々に「降りましょう」と助言してくれるも、欲深いリーダー(私です)は中々諦め切れず…
宿のスタッフさんからも稜線では20m吹いていて危ないよと助言があり、最終的にはサブリーダーのTナさんにご意見を伺って「寄り道せずに下山」と決定。優柔不断で面目ない。
煙草屋旅館の玄関脇を通る隠居倉方面への道に未練がましく視線を走らせた後、記念写真を撮ったら出発。
最初の分岐に差し掛かったところで、同宿で先発したと思しき男性2人パーティが、風が酷いため峰の茶屋方面から撤退して来た。ところへその2人パーティと擦れ違う形で、驚く程軽装の2人組が峰の茶屋方面へ歩いて行くではないか。声をかけて、風の影響を受けにくい沼原コースを一緒に下山することに。
晴れ間が広がってきて、振り返ると茶臼岳がくっきりと。
雪もあるけど、
足元には小さな春。
折角なので、沼原湿原に寄り道して行こう。
クロサンショウウオの卵にお触りをくらわすサブリーダーTナ。
(一方リーダーは、あれは蛙の卵だと言い張ってきかない山ちゃんと夫婦喧嘩をしていたのだった…)
湿原を堪能したら、そろそろ駐車場にもどりましょう。
お疲れさまでした!
ちびのすけ2021年5月13日 11:39 /
メンバーの皆さまが撮影した写真を使わせていただきました。ありがとうございました!