整骨院の先生に沢行自粛を命じられていた山ちゃん。漸くお許しが出た9月の三連休を迎える週の半ば、天気図を見ると日本列島には停滞前線が纏わり付き、南西には台風の卵が。行き先を決めあぐねていたが、のらりくらりしていた熱帯低気圧が西へ去ると、南岸に高気圧ちゃんが出現してくれたではないですか。
気を良くしていざ、昨年の失態(👉過去記事「鞍掛沢懺悔譚」https://alpenblume.club/?p=16940)を挽回すべく尾白川へ。嫁はこの7月に尾白川本谷から鋸岳へ抜けているので三度目である。昨年は雨、7月は薄曇り〜晴れ、今回はコレ!
矢立石登山口で車を停め、支度をして林道を歩き出す。暑い。入渓は10時ちょっと前。
陽射しが水底まで届いて本日のバス◯マンカラーは一際鮮やかだ。前回と違って二人ともラバー靴なのでスパスパ進んでゆく。
途中で山ちゃんが発見したのは、食べ頃のフルーツ!
見上げるとサルナシの大株、鈴生りだった。枝に付いている実はまだ固く、落ちているのが完熟。味はキウイフルーツに非常によく似ており美味。満足するまで食べたら出発、尾白川本谷との出合に着いたのは10:40。
本谷にかかる通称ワイヤー滝の手前で、釣り指南タイム。餌の付け方、竿の持ち方、身のこなし…
ピンポイントで餌を落とす、渓流釣り歴45年の技を真似するのはちょっと無理みたい。
一コマ分の講義を終えたら鞍掛沢へ。
今年は雨宿りする必要もなく、快適に遡行。
途中、もう一度じっくり講義&実習をして、
15時になってしまったので、幕場へ向かう。
見覚えのある滝が目に入ってきた。定宿はもうすぐだ。
雨が降っても焚火のそばで宴会できるようにしてから、
三脚式で焚火。シットリした太い薪が多かったので、山ちゃんが苦労して火を点けてくれた。
幕場は貸し切り。雨も降らず、静かで快適な夜を過ごした。朝ものんびりと。
さて、雪辱と銘打った山行の主題はこれからである。幕場からすぐにナメ滝で出合う乗越沢、前回は思い込みでスルーしてしまったが、今回は万全の態勢で挑む!(10時だけど)
山ちゃんは手前の草の中の踏み跡から、私は出だしは水線から。滝は中盤からツルツルでヌメりもありそうなので私も結局右の草付に逃げ、山ちゃんと合流。
ナメ滝を越えて進むと、支沢の更に支沢だけあって、小ぢんまりしてきた。
ヌメった2段小滝を右の枝沢経由で越えると、再び傾斜の緩いナメ滝。やはりヌメりがあるので右を巻いたけど…。フェルト履こうかな。
鳥兜が美しい小さな平地で小休止、フェルトのサンダルを着ける。
乗越沢は、ナメ滝が多い穏やかな沢なんだね。
だいぶ狭くなってきた。そろそろ水汲んでおこうか…
まだ僅かに水流があった。標高1,750m、ミニ・ナメロード。
急峻な崖に突き当たった沢を離れて、背の低い笹原の中をゆく。踏み跡と呼ぶには立派な道を辿ってゆくと鞍掛山と駒岩の鞍部に出た。
予定では荷物を置いて鞍掛山に行くつもりだったけど、山ちゃんの膝に痛みが出たのでやめた。沢拵えをある程度解いて身軽になったら、下山にかかる。
登山道を下りてゆくと、前方に驚くほど白い山肌が見えてきた。後続パーティは「惑星が別や!」と言っていたが本当にそんな感じ。
日向山の山頂周辺には、山上に唐突に現れた白砂のビーチのような不思議な風景が広がっていた。多くのハイカーで賑わっているのも頷ける。
休憩がてら暫く眺めたあと、再び登山道を下りてゆく。途中、15時を過ぎているというのに軽装のハイカーが続々と上がってくるのには驚いた。15時半も過ぎると何人かには「ヘッデン持ってますか」などと声をかけたが。サンダル履きで手にビニール袋持ってるのや、キャミソールにジーンズ姿など凄まじいのもいた。大方、砂浜には海の家があるとでも思っているのだろう…
日向山登山口に16時過ぎに到着、乗越沢リベンジとリハビリ山行が無事に出来て良かったです。山ちゃんの膝はもう少しケアが必要なようです。先々週にヤド沢で釣りに夢中になってコケて折った私の肋骨は大体治っているみたいです。
猫とパソコン2023年10月12日 22:17 /
写真も文書も素晴らしい。内容もワイルドで、たくましいの一言です。 リハビリ&リベンジと二つの成功おめでとうございます。 釣りの指南はまだまだ続きますね。45年のキャリアに到達するにはあと10年かかります。