沢の大先輩と沢の新人2人が雁首揃えて、どう話が転んだのやら記憶にないけど三鷹の某ジムの屋内クラック講習を受けることになったのが今年の3月。姑息に試験対策して5月半ばに講習を無事卒業後、6月は瑞牆での講習、7月の三連休は城ヶ崎(!)でリードトレ…と順調に修行を続けていたのだが、あまりの酷暑についつい毎週沢へ出かけていたら10月半ばになってしまった。ブランクで重くなった腰を引きずり瑞牆の講習へ。ダメダメだったが、ともかく沢から岩にモードが切り替わったので良しとする。
そんな折、城ヶ崎でベテランクライマー大師匠に教えていただける機会が到来!
10月最後の週末、城ヶ崎はポカポカ陽気で先週の瑞牆とは別の国のよう。広大なこのエリアを知り尽くした大師匠が、私でもリードの練習が可能なルートへ案内して下さる。今日は波が穏やかなので、ということで「しりいだし」エリアへ。
エリアへの入口がちょっとした崖で、フィックスロープがある。少々苦労して下りると幸なるかな、先客はおらず風光明媚なプライベートゲレンデ状態だ!
磯の風景だけでテンションUP、しかし波が穏やかだと言われても、波が打ち寄せる音に落ち着かない気分の埼玉民。虫は好きなのでフナムシ軍団には動じない。
1本目は「中潮クラック 5.7」。
大師匠がリードしてトップロープを張って下さった。まずは疑似リードから。
スタンスがあまり良くないけど、ハンドジャムは決まっているので余裕を持ってクラックを観察できる筈なのに、つい焦っちゃうね。カムが外せない!と騒いでしまい大師匠が見てみるとあっと言う間に外せたりなんかして…。そんなこんなでどうにかトップアウト。
次は同じルートをリード。初っ端から、トップロープでは出来たことがリードでは出来ないのを痛感。ズリ落ちてしまったが再トライ、出だしを何とかクリアしたら後はどうにか。
補助ロープでバックアップされた、カム2本でのトップロープ用支点を中間支点として利用させていただいたので、完全に自力ではなかったですね。カムを使っての支点構築は未経験な私。
辛抱強く見守って下さった大師匠にフォローで登っていただき、次に登る「はったりクラック」の終了点へ移動。トップロープ用支点を作って、懸垂下降。
さっき登った「中潮クラック」はこのロープの右側、岩壁の奥に隠れている。私がモタモタしている間に段々と潮が満ちてきて、下りてきた頃には取付が水没していた…(汗
岩に寝そべって青空を見上げていると、まだ夏休みが続いているような気分になってしまう。とは言え日は確実に短くなっているので、そろそろ始めないとね。
山ちゃんがその昔、沢で使って回収不能になったナッツの残りが家にあったので持ってきてみたの。それが「はったりクラック」出だしのちょっと被ったところにジャストフィット!
ゆっくりと吟味しながらカムセット、少しは慣れてきたかな~。さぁ、予行演習が済んだらリードだ。
マイクロカムのチョイスに手間取りモタモタ(初見じゃないのに)…でも何とか、リードできました。緊張感でクタクタ、午前1本午後1本でしたが自分としては頑張った。
八幡野の宿「豆東園」で(大師匠は嗜まないのにも関わらず)瓶ビールをグビグビやりながら美味しい夕飯に舌鼓を打つ。特に筑前煮は絶品だった!
翌日5時に起きて障子をあけると、朝の色に染まりつつある海面の向こうに伊豆大島のシルエットが。幸せな気分に感謝。Hちゃんが大好きだったこの宿、本当に本当に良いところだね。
2日目は八幡野から歩いて「プールロックガーデン」へ。
今日はなんと、オンサイト・トライの日。クラックでなくともあまり経験がないのでかなり緊張する。1本目はこのコーナークラック。
まずはオブザベ(と書くとカッコいいけど、実態は大師匠の助言に頼って勇気を絞り出す時間)。下部はフットジャムがバッチリ決まりそうな良いサイズ。中間は少し被っているけど、視野を広くすればホールドもスタンスもありそうだ!
怖がりなのでカムを多めに入れて、前のを回収したりしながら。カムの座りが悪いところで迷って時間がかかってしまったり。ゆっくりなのは今後改善しなければいけないけれど、ともかく登れたことは自信になりました。
2本目はこのクラック。
なんとか登って、立派な松の木で支点を取る。つい出来心で、遊歩道の柵にバックアップを取ってしまった。過剰安全はリスクになると頭で理解していても、経験がないから骨身に染みていない。
ヨロヨロながらも、大師匠に見守っていただき2本オンサイト達成!ここで1本、難しいルートをトップロープで。
瑞牆でもそうだけど、オフィズスになると対処能力がない。しかもツルツル(涙)でもトップロープなので楽しみました!
少し休憩してから、「かさご根」エリアへ移動。
海へ向かって下降してから登り返す、という初のシチュエーションにビビる埼玉民。下降支点もフィックスロープもセットしていただき、次に登るクラックを観察しながら降りる。
腕でプッシュしたり膝を使ったり、苦労した。一ヶ所、焦って100%引いたカムを突っ込んでしまい反省。短いけど、私にはピリッとした良いルートでした!
最後にトップロープでハング超えにチャレンジ。怖々、更に下まで降りてから…
ハング超えを終えたら良い時間となり、終了。私の身の丈に合ったルートを選んでいただいて、疑似リードからのリード2本、オンサイト3本。非常に貴重な経験をさせていただきました。楽しくて良い経験にもなるトップロープも2本、天候にも恵まれ、とても充実した2日間でした。
大師匠、本当にありがとうございました。また是非、ご一緒させて下さい!
(2023年10月28日、29日実施)
しゅ〜2023年11月22日 15:08 /
クラック三昧ですごく羨ましい! 機会あったら岩場情報など教えて頂きたいです。