• 登山技術研究会アルペンブルーメ|東京都勤労者山岳連盟に加盟する山岳会|岩登り・沢登り・雪山登山が好きなアルパインクラブ|登山の基本技術を研究し指導者を育成する山の会|東京都練馬区を拠点に活動

再訪 子持山獅子岩

沢登りの先輩後輩が集まって、何故か子持山獅子岩ノーマルルートを登りに行ったのが1年と2ヶ月前。雨上がりで序盤ピッチのコンディションが悪く、満足の行く登攀とは行かなかったのでリベンジを誓っていたのだった。今回、新メンバーを2人加えて再訪。

子持神社の駐車場で車を降り、防寒着を着込んで陽の射さない谷あいの道路をゆく。登山口から少し歩くと、鳥居のある屏風岩。

夏だった前回と趣が違い、紅葉が黒い岩肌に映えている。この先は登りになるので防寒着を脱いだ。沢沿いに少し登ると分岐が現れる。獅子岩基部への最短コースは右の沢コースなのだが、ジメジメして面白くなかった印象が残っているので今回はリーダー権限で左の尾根コースを選択。

いざ尾根コースに入ってみると、やっぱり沢コースの方が勾配が平均的で疲れなかったよなぁと思ったが、でもこの眺望。

関東平野にはモヤモヤと雲がかかっている様子だが、此方は快晴である。多少アップダウンがあってもこちらのコースに来て良かった!

近づいてきた

これから登る岩壁がドーンと見えるのも気持ちが盛り上がって良い。獅子岩初めてのK氏は「いや〜、あれ登るの?」確かに、遠目にはツルツルの絶壁に見えるわな。

1時間弱でハイキング気分のアプローチは終了。獅子岩の基部でザックを下ろし、登攀の準備をする。獅子岩初めてメンバーのもうお一人は、13クライマーのSさん。私がモタモタとザックから荷物を出しつつ目を上げると、もうSさんは登攀準備が出来ている!速い!

1ピッチ目の終了点に到達

前回のメンバー5人のうち1人が残念ながら体調を崩して不参加となってしまったので、計6人3パーティでの登攀。私は準備が遅いので最後。ザイルパートナーG氏よゴメン。

前回は3人登りで、初っ端からリードで行ったんだけど、岩がまだ濡れていたのもあって早々に行き詰まってしまい、先輩に助けてもらったのだった。身の程知らずだった訳だが、でも基部から見上げると簡単そうに見えるんだよねぇ。

今回は岩は完全に乾いているし、南向きのこの岩場は陽があたってポカポカ。最高のコンディションなので、リベンジ行く!

2ピッチ目、あっと言う間のSさん

1ピッチ目、前回行き詰まったところはホールドが乾いていれば問題なく使えるので、何とかなった。前が詰まっているので暫く待つ。ポカポカで気持ち良い〜…寝ちゃいそう。

短い2ピッチ目は、ダメ元で続けて行ってみる。Sさんが「ちょっと嫌らしいねぇ」と言っていた(けどサッと登っていった)ところが核心。ハイステップで行くんだけど私は皆さんと足の長さが違うので工夫が必要で、ここを超えるのに盛大に時間を浪費した。ゴメンよG氏。うろ憶えだが前回はフォローでA0したと思うので、今回自力でクリアできて嬉しかった。

3ピッチ目はでっかいフレークのあるピッチ、ここでリード交代。G氏は壁とフレークの隙間にアームバーをキメて登って行った。彼はクラック修行仲間なのだが、見事にワイドトレの成果が出ているなぁ。私は前回フレークのところでA0してしまったが、今回はクラックも練習してきてるし、どうかな?肩を入れて腕を張って身体を上げられるか試してみたが、全然できない。私の成果はどこにあるんだ。結局レイバックで突破。リード、できるかなぁ…?A0はしなかったのでまぁ良し。

3ピッチ目の終了点は小さなテラス。前回は3人いたのでギュウギュウだったっけ。ザックを下ろして、スマホを出して写真を撮った。

4ピッチ目を見上げる

4ピッチ目は、下から見るとホールドいっぱいで簡単そうに見えるので、気軽にリード交代。で、いざ登ってみると、ホールドは微妙に外傾していて甘いか、細かい。細かいのは得意なので、そこに何とか自信を持って、時間をかけて慎重に登った。フォローのG氏が珍しく苦労していたので、やはり手が小さい女性の方が有利なのだろう。

5ピッチ目は前回唯一リードに成功したピッチ。細かいが斜度が緩いので簡単だった記憶がある。今回はここでリードを交代。6ピッチ目はどうするのかな~。ビレイの準備をしていると小鳥の小群がすぐそばにやってきた。イワヒバリだった。冬場は標高の低い岩山に移動するのだそう。鳴き方も夏と違う。G氏はと言えば、6ピッチ目に継続し、終了点少し手前で難儀している様子だ。見上げていると、青空に鷹が白いお腹を見せながら軽々と旋回上昇していった。壁にへばり付いて落ちないよう必死になっている自分達のことが可笑しく思えた。

6ピッチ目は再び斜度がきつくなる。リードが苦労していた終了点少し手前が核心だが、取れば解決するガバが私には遠い。前回はガバを取る以前に全然歯が立たず、核心を丸ごと左から迂回したのだが、今回も一歩だけ岩壁の左外側を踏んでしまった。それで少し高さを稼いでガバを取って終了。

ここから上には行かずに、アプローチシューズに履き替えて登山道へ。獅子岩基部に戻ってみると、右ルートの1ピッチ目にトップロープがかかっていたので、ありがたく登らせていただいた。ノーマルルートより更に細かくバランシーで、トップロープでは行けたけどリードは怖そうかなぁ。

右ルートもいつか行ってみたい

トップロープを回収し、パッキングを済ませて時計を見ると15時半。登山道に堆積した落葉に時折足を取られながら、駐車場へ下山。

登山口はもうすぐ

11月最後の週末だったので寒さが心配で、行き先を伊豆方面に変更しようか迷ったのだが、子持山に決めて良かった。コンディションに恵まれ、充実したクライミングとなった。こう書いていると、体調不良で獅子岩リベンジ出来なかった先輩に悪いような気もするけど、でも来年1年間フランスに滞在してクライミングもする予定だという羨まケシカラン先輩だからまぁいいや。

実は今回、沢登りの仲間同士では初の私リーダー山行でした(沢登りのリーダーはまだまだだけどね)。コンディションが良かったのもあるけど、登攀技術の向上が僅かながら確実に感じられて嬉しかったです。本当はノーマルルートと右ルートを両方登りたいところですが、もっと手早くこなせるようにならなければ無理ですね。これは今後の私の課題です。ご一緒して下さった皆さま、本当にありがとうございました。

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