• 登山技術研究会アルペンブルーメ|東京都勤労者山岳連盟に加盟する山岳会|岩登り・沢登り・雪山登山が好きなアルパインクラブ|登山の基本技術を研究し指導者を育成する山の会|東京都練馬区を拠点に活動

クラックリード奮戦記(1)

クラックは、クライミングの中でも特殊なジャンルである。という意見を何度か聞いており、よく分からんけどそうなんだろうなぁと思いながらも、ひょんなキッカケからクラックを練習し始めた私。

クライミング自体はダラダラと何年も続けていたんだけど、クラックを始めて以降、意外なことにクラック以外のクライミングが以前より速いペースで上達している気がする。

その理由は自分が思うに2つあって、まず1つ目はジャミングという手段を知ったこと。そして2つ目は、下手クソながらワイドクラックの練習をして視野が広がったこと。端的に言うと、フェースに対峙している時の身体感覚は二次元的であるのが、チムニーを登ろうとする時には否応なく三次元的になる。それを経験したことが私にとって革新的であったようだ。

おたつ磯から大島が良く見える

10月最後の週末以来5週間振りの城ヶ崎は、師走に入ったとは思えないほどの暖かさ。吊り橋からファミリーエリアを見下ろすとザッと16人はいる。大師匠の薦めで、空いていそうな「おたつ磯」へ行ってみると、見事に貸し切り!

このクラックは10dだからお花撮影だけ。

荷物を下ろして、お目当ての「おたつクラック」を見に行く。

おたつクラック左 5.8

もう疑似リードは無しで登るのが当然という雰囲気になっている。大師匠がこのルートなら可能だろうと判断して下さっているということだ。でも決して無理強いはなさらず、私の決断次第なのだ。うーむ。まぁ、行ってみるか。

大師匠のルート選定が絶妙で、前回リードしたところより少〜し難しいのだ。前回に比べるとカムセット時の余裕がないので、何ヶ所か「無いよりマシ」くらいの気分でセットしてしまった。余裕がなくて落ちるのが怖いような時にこそ、カムセットに確固たる信頼性が欲しいところなのに、これでは本末転倒である。オンサイトは達成したけれど、安定した姿勢でカムをセットするために、場合によっては一步戻るとか、逆に一步進むとか、より真剣に判断しなければいけないと反省。

お次は、おたつクラック右

おたつクラック右は、左とは全然性格の違うルート。小さなハングを超えるのに頭がつっかえて苦労するのだそうだ。…てぇことは…

低身長だと当然、ラクである。プロテクションはマイクロカムをいくつも。小さくても、頼りになる可愛い奴らです!

こちらもリードは何とかできた訳だけれど、反省点だらけ。セッティング時の落ち着きが足りず、結果としてセッティングが甘くなりがちなのは先ほどのルートと同様。カムのサイズ見当っ外れが甚だしいのも問題。沢で滝見ても10mなんだか20mなんだか全然分からんし、苦手分野なのかも知れない。練習するしかない。トップロープの支点を作るのにも時間がかかり過ぎ。辛抱強く待って下さった大師匠、エミコリン、ごめんなさい。

私が登ったあと、エミコリンが疑似リードでプロテクションを取って、落ちてみるというのをやっていた。彼女のカムは、しっかりと墜落を止めていた。私のカムはどうだったろうか。

おたつクラック右の上部は難しい

最後に、おたつクラック右の上部に大師匠がトップロープを垂らして下さった。先ほどリードした際は、小ハングを超えてからおたつクラック左に合流したので易しかったのだ。

これをリードできたら「おたつクラック右5.9」を登ったと堂々と言えるのでしょう。開脚ムーヴが得意なエミコリンは出来そうだ。私は、短足は変えられないので苦手なストレッチを頑張らないと無理だな…。

16時になったので、名残惜しいけど終了。明日も城ヶ崎で登るという大師匠に、なんと小田原まで車を走らせていただき、城ヶ崎帰りの定番となりつつあるインドカレー屋さんへ。今日も美味しくて大満足だ!

曲がりなりにもオンサイトリード2本できて、課題も明確になり、今日もとても良い経験ができました。ルート選定、アドヴァイス、見守り、(そしてカレー屋さん)…大師匠、何から何まで本当にありがとうございました。エミコリンも、いっぱい待ってもらってありがとう。またおつき合いいただけたら嬉しいです。

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