第4弾の二日目、日曜の朝は早起きして出発。雪道になってきたので大師匠のエスティマにチェーンを装着し、醤油樽の滝入口へ。車を降りても全然寒くなくて、アイスシーズンの短さをひしひしと感じる。
河原木場沢に沿って小道をゆく。右手に立派に凍った滝が見えてきてホッとした。そろそろかという辺りで人の声が。醤油樽の滝の先客はザッと7人。
混んでいるから難しいかなぁ…と思いながら滝を眺めていると、既に登っているパーティの一人から大師匠が「S藤先生ですよね?」と声をかけられている。ん?南沢小滝で先週一緒だった、太田山岳会のJ子さんじゃないですか〜!奇遇!
即席大師匠クリニックも始まり、和やかな雰囲気に。滝の右側下半分は空いているので、使わせていただいてリードしてみよう。ここでの大師匠のアドヴァイスは、
★アイススクリューでの終了点作成のポイント★
・スクリューは、水平に配置しないこと。墜落の衝撃がかかった場合、スクリューから横方向に氷に亀裂が入り、水平に配置された複数のスクリューは同時に脱落する可能性がある。
・脱落のリスクを軽減するために、スクリューは高さを変えて配置すること。2つでも、3つでも。そしてスリングは流動分散に。
醤油樽の滝は緩傾斜なので、あまり怖さは感じず落ち着いて行けた。氷が柔らかいのでスクリュー設置が楽だったし、冬手袋でのロープクリップもだんだん慣れてきた。ただし、ツールホルダーからスクリューを取り外すのにモタモタしてしまう。
・ひとつのツールホルダーに対して、スクリューは快適に取り出せる数だけ付ける(ホルダー及びスクリューのタイプに合わせて)。
・見ないで、手探りでも取り出せるように、スクリューをツールホルダーに付ける時のハンドルの向きなども考えて。
大師匠の事前アドヴァイスに従ってスクリュー3本を、くの字を書くように配置してみたが、想定よりもスクリューの間隔が狭くなってしまった。大師匠の採点は、90点。
その後はトップロープで、交代で登る。氷瀑の右端の、岩との境目を登る大師匠の真似をしてみたり。薄い氷をソロリソロリと登るのは面白い。
一段落したら、上までリードしてみよう。35mある醤油樽の滝の、半分はもう済んでいるのでちょっと気が楽。
さっき作った終了点のスクリュー3本の内2本を回収して、リードで登攀続行。傾斜が段々緩くなってくるので緊張感が抜けてしまったようで、少々ランナウトしてしまった。抜け口が近くなるにつれ氷が薄く脆くなり、穴が空いているところも出てきて、緊張感を取り戻す。初めて眺めた醤油樽の滝の上には、何てことない小沢が続いていた。
懸垂で降りてきて、大師匠とグータッチ。2回に分けてだが35mの滝をリードできたということで、自分としては進歩できて嬉しい。ギリギリなんとか登れたという感じではなく、手足が疲れもせず楽に登れた。緩傾斜だから余裕があるのだろうが、昨年は同じ場所でミシンを踏んでいたのだから(👉過去記事「Y岸家、冬もやっぱり沢登り」https://alpenblume.club/?p=19910 )かなりの差だ。
その後はトップロープで練習し、滝の左側に張られたトップロープも使わせていただいて、薄い氷と岩壁のキワを登って遊んだ。
薄い氷の登攀は、ぶっ叩けないので繊細な動作が要求される。アックスを氷に刺すのではなく岩と氷の隙間に差し込んでみたり、浅いホールド・スタンスに静かに体重を移してみたり…工夫して登るのが楽しかった。
夕方まで充実した練習が出来て大満足。明日からは雨の予報。タイミング良く好天に恵まれたなぁ。大師匠とお天気の神様に、大感謝。来週末は仕事で山はお休みなので、次は再来週。氷よ、解けずに残っていてくれ!
(2024年2月18日実施)