シルバーウィークの三連休(前半)2日目の廻り目平の予報は当初、午前中は曇りで午後から雨。その後雨マークが取れて、そして朝が来てテントから這い出してみると…

計画書通りに屋根岩2峰南稜〜セレクションへゆくことに決定し、今日こそ真面目に8時出発。奥の方までテントがびっしりで、私達同様に悪天候による他山域からの転進組が多いのかな?と思いつつ歩いてゆく。それにしても蒸し暑い。秋らしい爽やかさが微塵も感じられない。
2峰南稜の取付きにはもう、これから登り出そうという2人組がいた。私達がのんびり支度をしながら待っている間に、新たに2人組が到着。異例の混雑ぶりに大師匠はビックリ。通常は空いているこのルートに、大混雑の人気ルートからあぶれた人が流れてきているようだ。


私は7月にオールリード(チョンボ有)で登っている(参照→https://alpenblume.club/?p=29376)ので、今日はS田氏がリード役。苦労した2、4ピッチ目はフォローだとどんな感じなんだろう?




いつもスピーディーなS田氏も3ピン目を取る辺りでは慎重にバランスを探りながら、しかし危なげなくクリップ。4ピン目をクリップしてから挑む核心の急傾斜部分(直登で10a)は、さすがにA0で左回りで越えていった。核心を越えた後も悪そうだ。
2番手は大師匠。前回はリードの私が核心を超大回りで右に迂回したため急傾斜部分を登れなかったのだが、今日は直登チャレンジ。かなりキツそう。私もフォローだからトライしてみるか…
リード時に悩み抜いた3ピン目手前は、フォローでもそれなりに難しいがやはり気楽さが違う。テンションかけずに登ったが、リードで同じ動きができるかは疑問。そして核心の直登チャレンジ。


A0用に残しておいて貰ったヌンチャクを引っ掴み、微かな凹みに足を乗せて…手は粒に爪を立てて…ロープ張り張りでやっと。距離は短いのだが、リードで直登できるとは想像もできない急傾斜。ちなみに傾斜が緩んだ後も、微かな凹凸しかなく相当怖い。前回自分も同じ4ピン目にクリップしたのだけれど、もっと右側を登ったのかもね?
3ピッチ目は前回、私が2ピッチ目から無理矢理継続した上に、残置ハーケンに迷わされて変なルート取りで登ったところ。今回の下の写真が正しいルート。どちらにせよ簡単だがこっちのほうが楽しい。


さて、4ピッチ目。2ピッチ目ほどではないけどピリリと辛いこのピッチをS田氏がどうこなすか。


S田氏は2ピン目を取ったあと、クラック寄りに登っていきそう。別に違反でもないんだけど、なんか面白くないっ!…つい、心の声が洩れてしまったが、前回私が半泣きで頑張ったクラック左側のスラブをS田氏にもぜひ味合わっていただきたいのよ。


もしかしたら私のアホな期待に応えてくれたのかも知れないが、左のスラブを少々手こずりながら上がって行ったS田氏であった。続いて私。


一度リードしているとは信じられないくらい難しく感じた。足裏は、以前より少しだけ信じられるようになっているかも。そして今週デビューのインスティンクト(*シューズ名)はスラブにも乗れて、爪先で粒も拾える良いシューズであるようだ。足型が合わぬ故の激痛さえ我慢すれば。

この後は、眺めの良いお休み処へと登り上がるだけの易しいピッチ。トポではピッチとしてカウントされていない。



この辺りから左隣のセレクションルートの様子が良く見えてくる。クライマーが渋滞していてさながら蟻道のよう。ダイヤモンドスラブでは、前のパーティのフォローを次のパーティのリードが追い越していたりして、カオスな状況。のんびりお昼休憩している間に状況が良くなることを期待していたけど、諦めた。
前回と同じく「南稜下部」ルートの5ピッチ目へ向かう。私はこのピッチはキライなのでやらない。6ピッチ目もリーチ課題なのでやりたくないのだが、前回私が一瞥もくれずに降りてしまった最終ピッチをS田氏がチャレンジする都合があるので、渋々登る。




で、最終の7ピッチ目 11a。2人ともスマホを下に忘れてきたし、下にいる大師匠からも見えない場所なので写真がない。短いが薄っすら被った壁で、私には到底届かないところにバンドが走っている。S田氏は1ピン目A0からのジャンプでバンドのガバを取ってバンドに登り上がり、トップアウト。A0とは言え、身体能力の高さは素晴らしい。一方私には、ジャンプする機能が備わっておりませんのでね。形ばかりのリラクタント・トライで終了。
前回はほぼ懸垂下降で降りたけど、今日はルートの右側の薄い踏み跡を下る。まだ時間があるので、先月にも訪れたが濡れていて登れなかった水晶スラブへ。
全体的に傾斜のキツいスラブで、一番易しいのは右端の一本。右から2番目のルート(「アバタもエクボ」10c)で修行中の2人組が右端のルートにもヌンチャクをかけていたが、使って良いですよ〜と言って下さった。大師匠から「余裕があったらヌンチャクを自分のと取り替えてきて」なんて言われてスタート。

出だし、正面はツルツルなので右から回り込む。少し登るともう余裕が無くなり、1本目のヌンチャクは取り替えられず。足を上げたり、また引っ込めたり。この傾斜だと私は勇気がなかなか出せないのだ。心做しか白く磨かれているように見える僅かな凹みに左足先を押し付ける。ご多分に漏れず滑る。勇気を振り絞ってもう一度チャレンジ、右側の良きスタンスに立つことができた。ホールドもあったので、2本目のヌンチャクは取り替えられた(あまり意味がないけど)。3本目のボルトまでの間隔が短いので、この辺りが核心。ヌンチャクを取り替えてクリップしてからトライ。下の写真で分かる通り私には難し過ぎ、A0でどうにか。


3本目と4本目のボルト間隔は広いので、核心を越えたら楽になると予想していたが、斜度が緩くはなったものの手がかりは乏しく、楽ではなかった。ヌンチャクを使わせて下さったお二人には、大変お待たせしてしまい申し訳ありませんでした。
因みに5.9のルートだと思ってトライしていたが、後で調べてみると「越境者」5.10a だったそうな。道理で…。


続いてS田氏もトライ。核心はやっぱりハイハイポーズになってしまった。こうなると滑るのよね。スラブの10aは厳しいです。核心を越えた後は余裕で、トップアウトした後に左側のルートを登るための振られ止めを付けてから降りてきてくれた。
で、最後に左側のトポに載っていないルートを。フレークというには長いのでクラックで良いのかな、その隙間にちょうど指先が入る、レイバックがキマるルート。小さめのカムが決まるサイズだが、そんな余裕は無いのでトップロープ。





私はレイバックは、腕力の無さもあってどうしても怖くなってしまうので、途中で休ませてもらわないとダメだった。S田氏は持ち前のスピードで颯爽と登って行った。本日の練習は、これにて終了。
とりあえず駐車場まで戻って、改めて明日の予報を見るとあまり芳しくない。まぁ、3日連続のクライミングも疲れるしね…、テントを撤収して帰ることに決定。
秋の安定した晴天というものに恵まれず、北アルプスの予定を1件逃してしまったが、転進先の小川山や城ヶ崎で登っていても登攀力・判断力とも足りないことを痛感するばかりなので、ホッとするような気もしたりして…情けないな。
少しずつ上達・場慣れはしていると思うので、これからも経験を積んでゆきたいと思います。機会を与えて下さる大師匠に、あらためて感謝を。
(2024年9月15日実施)