今シーズンのアイスクライミング、私の登り初めはここ岩根山荘から。既に八ケ岳などで登っているメンバーも一緒に、総勢10名で大師匠クリニック ’25 がスタート。
昨年の3月以来なので、メソッドが頭に入っているとは言え身体が忘れているだろうから、基本形からおさらい。やはり動きがぎこちないが、何本も登っているうちに少しずつ思い出せるでしょう。みんなで交代しながら、他のパーティともロープを貸し借りしながら。
アックスの的が外れるのは相変わらず。それでも、昨シーズンと比較するとかなり楽に登れるようになっている。山ちゃんも無駄な動きが減って、登りが速くなっていた。何と言っても ’24シーズン、Y岸家は大師匠に計11日も教えていただいたのだから…。成果は確かにあるのだ。
快晴で迎えた2日目の朝。
今朝はアイスツリーに取り付く前に、山荘の脇の斜面で大師匠がひと講義。来週湯川に行くというABBくんのために、崖の上部から下方にトップロープ支点を設置しに行く際の、安全なやり方をみんなで確認した。
昨シーズンはコンディションが悪くて行けなかった湯川。再来週に行く予定なので、ABBくんに様子を教えてもらおう。
アイスツリーに戻るが、なかなかエンジンがかからない。寒いからかなぁ。断じて宿酔いではないのだが。2日目ともなれば疑似リードくらいしないと。さて、各種ツールをどうやって携行していたのだったっけ?使う時に取り易い携行の仕方を思い出すのに時間がかかった。やっと支度ができたところでトイレに行きたくなってしまうほどに…。
トイレから戻ってきて再び装備を身に付け、漸くの疑似リード。スクリューを入れるのもアックステンションも久し振りで、トップロープだけど前回のリードを思い出して緊張。スムーズには出来なかったけど、ともかく1本登ってリードの感じを思い出せたのは良かった。これで今日の自分の目標は達成。
お昼休憩をして、午後からは大師匠に新しいことを教わった。
・傾斜が緩めで前爪を置きやすい段差があるようなところでは、対角登りの形で余った足を横に切ってバランスするのではなく、次のスタンスに上げてしまおう。そうすることで、最小限の動作で速く登れる。
↑これは、アイスツリーでやるのは私には難しかった。もっと傾斜の緩いところでなら、できるかも知れない。
・アックスとの位置関係で、スタンスが重心から外れている場合。スタンスの位置を重心に近い位置に変えられれば良し。場所が限られていてスタンスを変えられない場合(=重心が外側に外れている場合)、バランスが悪いままで腕力と脚力で登るという選択肢はあるが、力を浪費してしまう。
ところが、同スタンス上でアイゼンの前爪を内向きにするだけで、段違いに楽に身体を上げることが出来るのだ!
↑動作としては非常に小さなことだけど、その効果は絶大。上手な方は自然にやっている事なのかも。まだ知らない貴方、騙されたと思って、爪先で内角を攻めてみて下さい!
(昨年の爪先革命はコチラ→ https://alpenblume.club/?p=26356)
岩根山荘での最後のお楽しみは、大師匠の「俺のルート」。一番氷が薄くて、一番垂直なアイスツリー最難ルートだ。
下部はベルグラなので壊さないように繊細に登る。核心は、ツララが垂れ下がっていて薄被りで、スタンスになる段差がない中間部。超えると少し楽になりそう。大師匠の登りを見てやりたくなった山ちゃんを皮切りに、みんなでトライ。
Y岸家は2人ともトップアウト。昨シーズン、大師匠クリニック11日は伊達じゃない。(大師匠「11日も教わって上手くならなかったら、おかしい。」) 山ちゃんは後半、ムーヴよりパワーの登りになってしまったが、パワーのない私は内角攻めも含めたテクを使ってなんとか登り切った。
この後は、自然の氷瀑が待っている。大師匠、シーズン初日から大変お世話になりました!来週末も、どうぞ宜しくお願いいたします。
(2025年1月12日、13日実施)