• 登山技術研究会アルペンブルーメ|東京都勤労者山岳連盟に加盟する山岳会|岩登り・沢登り・雪山登山が好きなアルパインクラブ|登山の基本技術を研究し指導者を育成する山の会|東京都練馬区を拠点に活動

少し早い幕切れ〜南沢大滝にてシーズン終了〜

先週に引き続き、美濃戸口へやってきた。今回は朝発にしたため予想通りに渋滞に嵌まり、到着は15時半近く。3月も下旬となると随分と日が長くなっていて、少し登ろうかどうしようか悩ましい。

この青空じゃ、呑み始めるのも勿体ないし…

折角近くに氷があるんだから、ササッと行ってしまおう。八ヶ岳山荘前を15時45分発。

まだ登れるコンディション。

河原奥の氷柱はまだ立派に凍っていた。崩落する可能性がある部分を避けて、真ん中少し右寄りにトップロープをS田氏がセットしてくれた。

短いとは言え被ったルートで、アックステンションせずにスクリューを入れる練習をするS田氏はさすが。雨の如く滴りが酷いようで服をビショビショにして戻ってきた。

続いて私もトライ。分を弁えてスクリュー練習はなし。

服がビショビショになる位だから氷は柔らかく、アックスが気持ち良く決まる。

2人を見比べると、ムーヴに個性があるね。さて、そろそろ日が暮れるので帰ろう。

八ヶ岳山荘で酒盛りをしている内に濡れた服もバッチリ乾いた。土曜の夜なので仮眠室も盛況だった。

翌朝は5時起床。週末なので、お湯が使えてありがたい。サッと朝食をとって美濃戸へ。

やはり週末、車の数が平日とは違う。南沢大滝の混み具合はどうだろう。前回より道は歩きやすい。S田氏を待たせ待たせしながら、のんびり歩いて8時半過ぎに到着。

予想通りの盛況である。既に何本ものロープが掛かっており、空いている左側にも登攀準備をする女性3人パーティ。「カモシカルンゼのS藤さん〜!」と大師匠に声をかけたリーダーの彼女ともうお一人とは、S田氏と私も1ヶ月振りの嬉しい再会である(芦安アイス→https://alpenblume.club/?p=31790)。

右寄りのルート上にはアックスが1本残置されていた。持ち主は足首を捻挫してしまったそうで、これから下山するという。大師匠が声をかけて、負傷部に施したテーピングが固定力の弱いものであると分かったので、負傷を悪化させないため固定力の強いものに直すことになった。大師匠は、テーピングにもお詳しいのである。

昨春、御在所は藤内小屋にてテーピング講座を行う大師匠

大師匠がテーピングをしている間にS田氏と私は登攀の準備をして、空いている左の端っこを登ることにした。

実はS田氏、昨年の南沢大滝で腕が冷え切って半分でリタイアした雪辱に燃えているのだ。昨日、短時間でも練習したいと主張したのもそのためだったりする。でも正直、昨年のはレストを入れれば良いだけだったと思うけど(*S田氏はせっかちさん)。そういう訳なので技術的に不足もなし、あっと言う間に突破。

続いて私もリード。終了点は作ってもらってだけど…ね。

次は、お城の窓の辺りでトップロープ(振られ止め設置の際S田氏・私の2人がかりでミスをしてしまい、フォローしていただいたパーティの方、ご迷惑をおかけしました)。窓の上にはカーテンもあり、面白そうだ。

アックスの精度が上がって、どっ被りの上にアックスを一発で決められるようになったのは革命的。今までの私だったら、腕が疲れて突破できなかっただろう。細い窓枠を工夫して使うのも面白かった。続いてS田氏も。

なんか征服ポーズが似てるな。最後に、大師匠。

大師匠の決めポーズはどんなんだろ…

さて、この後はどうしよう。今朝、アックスが残置されていたのは右側の凹角ルート。その後チャレンジした人も、苦労している様子。

自分もちょっと凹角ルートを触ってみたくなったので、窓ルートをもう一度登ってロープを右に設置し直してこよう。

登りはサクッと(本当かよ?)。しかし例によって上でモタモタしている間に、朝イチ摩利支天大滝を終えて現れたガイドの青木さんが、凹角ルートを速攻で登ってきてトップロープを設置し風のように去っていったのだった…

ショボショボと降りてきた私だったが、青木さんがご厚意で更に右にロープを振って下さった(勿論それも速攻)ので、凹角ルートを登ることができた。ありがとうございます…!

凹角の、更に凹んだところを避けずに登ると少し被っていて楽しい。ついでに、ルート半ばに残置されたアバラコフアンカーをナイフで切る(もし、落ちた人の足が入ったりしたら頭が下になってしまい危険なため)というミッションも達成し、なんだか満足度アップ!

続いてS田氏が、回収便で凹角ルートを登って本日は終了。

来週は、昨シーズン末に定めた目標である大同心大滝の予定なのだが、現地情報によると大滝上の積雪量が多く、雪崩の危険性が高いとのこと。カモシカルンゼの彼女達も今日、大同心大滝の予定だったのを止めたそうである。

行く気満々だったので非常に残念だが、来週は中止となった。すなわち今シーズンのアイスクライミングは終了である。大同心大滝と相沢大氷柱は、来期に持ち越しですな。

もうすぐ15時、静かになってきた南沢大滝

予定より一週間早い幕切れとなった訳だが、それでも今シーズンは日数・成果とも昨シーズンより豊作。これはひとえに大師匠の分析と的確な言語化の賜物である。この手の自己評価は低めに見積もる私でも、来シーズンへの期待値は高い。

大師匠、計16日(*ラッセルに終始した松木沢も含む)もお付き合いいただき、ありがとうございました。来シーズンも、どうぞ宜しくお願いいたします…!

(2025年3月22日、23日実施)

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