• 登山技術研究会アルペンブルーメ|東京都勤労者山岳連盟に加盟する山岳会|岩登り・沢登り・雪山登山が好きなアルパインクラブ|登山の基本技術を研究し指導者を育成する山の会|東京都練馬区を拠点に活動

三つ峠 Day 1〜久しぶりの人工登攀〜

今時流行らないらしい人工登攀。でも、日本のアルパインルートを登りたいなら練習しておいて損はない。昨年の春に三つ峠で初めて経験するまでは、脚力の乏しい自分には無理なジャンルだと思い込んでいたけれど、誤解だった。私の筋力でも道具を上手く使えば、どハングを超えることだってできるのだ。それはとっても、ワクワクすること。(初めての人工登攀技術→https://alpenblume.club/?p=27417、及びhttps://alpenblume.club/?p=27464)

4月も下旬になろうという頃、染井吉野が満開の河口湖畔を過ぎて御坂みちに入り、右に左にカーブを切りながら標高を上げていくほどに季節は後戻りしてゆく。丁度7時、登山口にて大師匠達と合流。芽吹き前で寒々しいのに、夏鳥のオオルリがニ羽、キビタキが一羽歌っていた。まだメンバーが揃わないのでゆるゆると朝飯をつまみながら支度。まぁボチボチ、行きますか。

昨年と違って山椒の若芽もまだ出ていなくてちょっと口寂しいな。9時頃、四季楽園に到着。酒肴など不要なものをデポさせていただき屏風岩へ向かう。

屏風岩に差し掛かって直ぐ、いつも水が滴っているところで鳴いている蛙は、今年はまだ寝ているみたい。トラツグミも鳴いていないし…春が遅いな。

今日の四季楽園は大盛況とのことで主な岩場は混雑しそうだが、私たちのお目当てアパッチハングには誰もいない。大師匠とMちゃんは終了点構築をしに、左手前から巻くようにアパッチハングの上へ。後の3人は、手前の斜面にトップロープでもかけてこよう。

掛けたロープで何をしようか。私は、ロープの片方をフィックスして1本ロープで登り返しでもしてみようかな。

片方のロープをリングボルトに掛けたカラビナにクローブヒッチで止めて、もう片方のロープにアッセンダーで登り始めようとしたら大師匠が飛んできた。「バックアップを取らなきゃ、事故になるよ!」あーあ、大失敗。

下のボルトとアルヌンで繋いで、バックアップOK

これが壊れたらどうなるか、と常に考えなくてはいけないのに、それが身に付いていない。まだまだだな。

さて、アパッチハング左に掛けられたロープでは、空中での登り返しから切り替えての懸垂下降の練習。緩斜面だと足で立ててしまうので、リアルな困難さを感じられないからね。

Mちゃんに続いて私も。あらら、ATCガイドの溝の中でロープが交差してしまった。細い径のロープでしばしば起こる、悩ましい問題。ぶら下がって四苦八苦していたら、聞き覚えのある「S藤さーん」という声。

カモシカルンゼ、南沢大滝に続いての再会でした!

なんとまぁ、ご縁があるものだなぁ。彼女達は日帰りでマルチを登りに来たそう。楽しんでね!

皆ひと通りやったことろで、大師匠が仮固定時のロープの押さえ方をチェック。甘い人もいる。持ち方の正解は一つではないけど、要点はロープの屈曲を維持すること。力を入れて確保器を握っていても、要所を押さえていなければ無意味。

ATCの持ち方、人と比較したことは無かったなぁ。

お昼休憩を挟んで午後は人工登攀。私も経験者だが、ボルトの間隔に対して背丈が足りないのでS田氏がリード。ハングルートをトップロープで続けて登るために、グルグルシステム(ハングルートや斜上ルートでのトップロープの維持→https://alpenblume.club/?p=2998)を作ってもらう。

早速疑似リードで登らせてもらった。久しぶりなので要領を忘れており、かなり余計な力を使ってしまった。

一巡したのでロープを抜いて、次からはピンクポイント・トライ。右のルートは、J子さんがリードしてトップロープをかけてくれた。

2本目以降は、要領を思い出してきてスムーズに登ることができたのでホッとした。人工が出てくるマルチピッチ、行きたいな〜。16時過ぎまで練習して、撤収。

夏鳥の到来ペースは遅いようで、ニューカマーの声ははヤブサメだけだった。さて、四季楽園に帰ろう。

今日はみんな一緒に大部屋。食堂も混んでいるからか、食事も部屋でとることになったのだが、却って良かったかも?

〜Day 2に続く〜

(2025年4月19日実施)

コメント一覧

happyhappa2025年5月23日 09:20 / 返信

フリー全盛の昨今。人工登攀の経験は貴重ですね!

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